著者
田中 智夫 村山 有美 江口 祐輔 吉本 正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.260-266, 1998-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
24
被引用文献数
2 4

本研究は,ブタの視力について,ヒトにおける視力検査の基準を用いて検討した.6頭の育成豚(雌4頭,去勢2頭)を供試し,試視力用のランドルト環と,その切れ目をなくした円図形とを用い,それぞれ負および正刺激として飼料と連合学習させた.二者択一式のY字型迷路を自作し,図形の大きさまたは図形までの距離を変化させ,両図形の識別の可否から視力を判定した.左右の図形の交換は,ゲラーマン系列の乱数表に従って行った.その結果,去勢豚2頭は学習が成立せず,視力測定ができなかったが,雌豚4頭の視力値は,0.017~0.07の範囲にあった.
著者
田中 智夫 関野 通江 谷田 創 吉本 正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.880-884, 1989-09-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
8

緬羊における色の識別能力のうち,特に類似色をどの程度まで識別できるかを明らかにすることを目的とした.供試羊は双子のコリデール種去勢羊を用い,正刺激側のスイッチを押すと飼料が与えられるスキナー箱を自作して2色の同時弁別実験を行なった.草の色を想定して緑を正刺激とし,黄および青から徐々に緑に近付けた計7色を負刺激としてそれぞれ識別させた.各課題とも1セッション30試行とし,20セッションまで行なった.各試行ごとにおける左右のカードの交換は乱数表に基づいて行なった.x2検定により1セッション21試行以上の正解(P<0.05)を基準とし,その基準に3回連続到達した時点でその色を識別したとみなした.結果は,黄から近付けた緑に最も近い色との対比において1頭が,また,青から近付けた緑に最も近い色との対比において2頭ともが,それぞれ識別不能と判断された他は,全ての組合せにおいて識別できるものと判断できた.以上から緬羊の色覚はかなり発達しているものと思われ,色による条件付け学習を利用した管理技術の開発の可能性が示唆された.

2 0 0 0 OA 乳牛と音

著者
吉本 正
出版者
The Institutew of Noise Control Engineering of Japan
雑誌
騒音制御 (ISSN:03868761)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.84-89, 1989-04-01 (Released:2009-10-06)
参考文献数
26
著者
吉本 正 谷田 創 田中 智夫
出版者
麻布大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1989

研究者らは1985年以来,暑熱環境における雄豚のサマ-ステリリティについて検討を行ない,30〜35^。Cの環境温度において3〜6週間飼養すると明らかに造精機能が低下することを認めた.現在は,その造精機能の低下防止について検討を行なっており,平成元年からは当補助金を受け,局所冷却による造精機能の低下防止法について検討を行っている.初年度は,自然環境下において局所冷却(豚の首〜肩部に水滴を落下させる drip cooling法)を行ない,その効果をサ-モグラフィ-を用いて生理反応の面から検討した.その結果,自然環境温(29〜31^。C)の条件下においては,局所冷却を行なうことによって豚体の皮膚表面温を2〜3^。C抑制する効果が認められた.2年度は環境調節室を用い,適温期(24^。C一定)を3日間,加温期(33^。C,10h;28^。C,14h)を4週間とし,大ヨ-クシャ-種雄豚6頭を用いて,同様の調査を行なった。実験1では,水滴の落下位置を検討するために,33^。Cの室温において,頭部,頸部,精巣部に水滴を11分ごとに1分間,滴下させて,それが全身の皮膚温に及ぼす影響を調査した.その結果,頸部に水滴を落下させた場合に全身の皮膚温を低下させる効果が認められた.実験2では,実験1の結果を基に,頸部に水滴を落下させた場合における適温期および加温期(33^。時)の心拍,呼吸,直腸温,サ-モグラフィ-による皮膚温および精液性状を調査した.その結果,心拍数および呼吸数に対しては大きな影響を与えなかったが,直腸温および皮膚表面温については約1^。C上昇を抑える効果が認められた.以上のことから,drip coolingによる局所冷却は,雄豚のサマ-ステリリティ-の方止に十分,活用できる方法であることが示唆された.
著者
廣瀬 聰明 野中 伸介 上野 栄和 木村 重治 吉本 正太 道家 孝幸 杉 憲 岡村 健司
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.883-887, 2011 (Released:2011-12-21)
参考文献数
12
被引用文献数
4

We performed arthroscopic rotator cuff repair (ARCR) for all rotator cuff tears. The purpose of this study was to evaluate the clinical results of ARCR using double-row technique. We retrospectively studied 64 patients (65 shoulders) who had received ARCR using double-row technique and who were followed up for more than 2 years. The patients were 30 males and 35 females. The mean age at operation was 65 years old (range, 44-86). The mean postoperative follow-up period was 25 months (range, 24-36). The clinical results were assessed using JOA scores and MRI by Sugaya's classification. Tear size was small tear in 9 shoulders, medium in 36, large in 12, and massive in 8. The mean JOA total score was significantly improved from 66 points preoperatively to 96 points postoperatively. Postoperative MRIs showed 20% re-torn cuff in all cases, especially, 40% in large and massive tears. In 45 shoulders which had MRI taken regularly, re-tear by MRI was revealed within 3weeks: none, at 3 months: 4 shoulders, at 6 months: 1shoulder, at 1 year: 4 shoulders, and 2 years: none. In this study, the clinical results of ARCR using double-row technique was mostly satisfactory. But JOA score in no tear group (97points) was better than re-tear group (92points). So we have to consider the methods to prevent re-tear after ARCR.
著者
田中 智夫 関野 通江 谷田 創 吉本 正
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.880-884, 1989

緬羊における色の識別能力のうち,特に類似色をどの程度まで識別できるかを明らかにすることを目的とした.供試羊は双子のコリデール種去勢羊を用い,正刺激側のスイッチを押すと飼料が与えられるスキナー箱を自作して2色の同時弁別実験を行なった.草の色を想定して緑を正刺激とし,黄および青から徐々に緑に近付けた計7色を負刺激としてそれぞれ識別させた.各課題とも1セッション30試行とし,20セッションまで行なった.各試行ごとにおける左右のカードの交換は乱数表に基づいて行なった.x2検定により1セッション21試行以上の正解(P<0.05)を基準とし,その基準に3回連続到達した時点でその色を識別したとみなした.結果は,黄から近付けた緑に最も近い色との対比において1頭が,また,青から近付けた緑に最も近い色との対比において2頭ともが,それぞれ識別不能と判断された他は,全ての組合せにおいて識別できるものと判断できた.以上から緬羊の色覚はかなり発達しているものと思われ,色による条件付け学習を利用した管理技術の開発の可能性が示唆された.