著者
飯沼 篤 橋本 保 漆﨑 美智遠 阪口 壽一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.7-15, 2015-01-25 (Released:2015-01-23)
参考文献数
10

酸の作用により室温で容易に分解するアセタール結合を導入した三官能性ポリアセタールポリオールを,ヒドロキシ基を有する種々のビニルエーテル[4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE),2-ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE),ジエチレングリコールモノビニルエーテル(DEGV),シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル(CHMVE)]をグリセリン存在下で重付加反応させることでそれぞれ合成した.そして,得られた各ポリオールを,2,4-トリレンジイソシアナート(TDI)と120°Cで15時間反応させ,フィルム状に成形された各架橋ポリウレタン(PHBVE-PU,PHEVE-PU,PDEGV-PU,PCHMVE-PUとそれぞれ表記する)をそれぞれ合成した.各ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)は,主鎖構造に依存して,PHBVE-PUが-58°C,PHEVE-PUが-41°C,PDEGV-PUが-50°C,PCHMVE-PUが10°Cであった.熱分解温度(Td)は,PHBVE-PUが290°C,PHEVE-PUが274°C,PDEGV-PUが293°C,PCHMVE-PUが312°Cであり,熱的に安定であった.各ポリウレタンの動的粘弾性試験(DMA)においてゴム状平坦領域は,およそ0°C∼150°C付近で観測された.また,HEVEから得られた親水性のポリオールとPHEVE-PUは温度応答性を有していた.各ポリアセタールポリウレタンは,THF/H2O(9/1 v/v)混合溶媒中で塩酸を作用させると,室温にて24時間でアセタール結合が加水分解し,各ポリオールの構造に対応したジオールを生成した.
著者
増田 俊夫 阪口 壽一 金谷 利治 井上 倫太郎
出版者
福井工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

極性基やねじれた置換基を有するポリアセチレンを合成し、気体透過性を検討した。スルホン酸基やイミダゾリウム塩含有ポリマーは二酸化炭素を選択的に溶解させるため、高い二酸化炭素透過選択性を示した。ねじれた置換基を有するポリマーは高い酸素透過性を示した.ポリメチル化インダン部位を有するポリアセチレンの局所運動性を準弾性中性子散乱を用いて検討した。数十ピコ秒の時間スケールの局所運動が大であるほど、気体透過性が増大した.置換ポリアセチレンの気体透過性の経時変化を調べた。非常に高い気体透過性を示すポリマーでは物質吸着および緩和現象により気体透過性が減少した。