- 著者
-
満田 隆
阪口 遼平
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第13回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.131, 2015 (Released:2015-10-21)
画像選好判断において,対象が顔の場合は見慣れた画像を好む傾向(親近性選好)が生じ,対象が風景の場合は初めて見る画像を好む傾向(新奇性選好)が生じる。本研究はその詳細を明らかにするために,まず,魅力が大変高いモデル,魅力の高い高校生,低い高校生の顔写真を用いた選好判断課題を行い,顔の魅力度と親近性選好の関係を調べた。その結果,魅力の低い顔は高い顔と比べて親近性選好が強く生じた。また,魅力が大変高い顔では親近性選好と新奇性選好のいずれも生じなかった。つぎに,ティアラ,リビング,家具,住宅街,銃,食器,星雲,抽象画を用いた選好判断課題を行った。その結果,リビングと星雲で新奇性選好が生じ,その他のカテゴリでは偏りは生じなかった。また魅力度と新奇性選好に相関があった。以上の結果より,魅力の低い顔画像では親近性選好,顔以外の画像では画像全体が変化する魅力の高い画像で新奇性選好が表れることが示された。