著者
氷見 徹夫 高野 賢一 亀倉 隆太 坪松 ちえ子 阿部 亜由美 山下 恵司
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.19-24, 2016-03-31 (Released:2016-06-23)
参考文献数
11

唾液腺腫脹を伴う疾患は日常的に遭遇する疾患から非常にまれな疾患まで多彩である. 鑑別診断を容易にするため, 一側性と両側性腫脹を示す疾患の概略を述べ, 次に, 両側性腫脹を示すいわゆる非腫瘍性のミクリッツ症候群を示す疾患と IgG4 関連疾患であるミクリッツ病とキュットナー腫瘍についての最新の知見を紹介した. 感染性疾患では HIV 関連唾液腺疾患についても言及した. 唾液腺腫脹を示す非腫瘍性疾患は原因不明あるいは病態も明らかになっていない疾患が多いため, 歴史的変遷も含め最近の考え方を解説した.
著者
小笠原 徳子 高野 賢一 阿部 亜由美 才川 悦子 海崎 文 関 伸彦 吉野 真代 今野 綾美 山内 誠 新谷 朋子 四ツ柳 高敏 氷見 徹夫
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.360-365, 2013 (Released:2014-03-20)
参考文献数
17

先天性小耳症は発生頻度の低い稀な先天奇形であるが,外表奇形として出生直後より認識され,聴力評価などで耳鼻咽喉科を初診することが多い。外表奇形に対する手術は本邦では形成外科で施行される。今回我々は当院形成外科にて耳介形成術を施行した患児73例に対して,外表奇形の分類,聴力評価,味覚障害の有無,顔面神経麻痺の評価,中耳・内耳奇形の有無について解析を行い,外表奇形とそれぞれの項目に関して比較検討をおこなった。さらに国内外における従来の報告と本解析に相違があるかを検討した。  小耳症は,片側小耳症が90%をしめ,多くは外表奇形に対する治療が中心となる。しかしながら,聴力の継続的評価や真珠腫性中耳炎の早期発見,外耳道形成術,伝音再建の適応など耳鼻咽喉科医が把握,対応する事項の重要性が再認識された。