著者
小山内 誠 米川 元樹 川村 明夫 田中 三津子 此枝 義記 久木田 和丘 目黒 順一 玉置 透
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.246-249, 1999-02-15 (Released:2010-10-28)
参考文献数
5

腎不全患者では, 体液に移行した水分は透析などで除く以外に方法はない. そこで, 経口摂取した水分が腸管から吸収される前に高吸収性ポリマーで吸収し, 循環系へ入る水分量を抑制する方法を考案した. 今回, 各種ポリマーを用いた消化管内水分吸水能についての基礎的検討を行なった. ポリマーは, ポリアクリル酸Na (PA-Na), ポリアクリル酸Ca (PA-Na), 粒径の異なるN-ビニルアセトアミド (PNVA-1, PNVA-2) の4種類を作製し, 水, 生理食塩水, 人工胃液, 人工腸液を用いて吸水能を測定した. PA-Na1gに対する吸水量は水640m1/gと最も多く, PA-Caが2ml/gと最も少なく, PNVA4, 2はその中間の吸水力であり, これら各種ポリマーの吸水量は液の性状, pHなどにより大きな差が見られた. また, ヒト腸液を用いた検討でも吸水性に関し同様の結果が得られた. 吸水前後における組成分析では, 吸水後, PA1NaでNaの, PA-CaでCaの有意な増加がみられたが, PNVA-1, および2では, 有意な変化を認めなかった. 今回の検討から, 吸水材は十分に臨床応用可能と思われ, 特に非イオン型ポリマーであるPNVAの有用性が示唆された.
著者
山内 誠
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
no.63, pp.p1-48, 1989-03

セイファート銀河の物理的状態を明らかにするために, 2つのI型セイファート銀河, MCG-6-30-15とNGC4051が「ぎんが」衛星に搭載された低バックグラウンドの大面積比例計数管により観測された。今回の観測により, 以下に記すような3つの新しい結果を得ることが出来た。(1) 50%を越えるような大きな振幅の変動が100&acd;300秒の短時間でも見つかった。これは今までの観測結果と比べ最も短時間での変動である。(2)両方の天体でスペクトル変動が見つかった。これはX線強度が増すとそのスペクトルの傾きが急になるというものである。このスペクトル変動は2-10keVの光度が約3&acd;4倍増加するのに相関して, 光子スペクトル指数がα&ap;1.7の付近で△α&ap;0.4&acd;0.5増加するということで説明できる。(3)MCG-6-30-15のX線スペクトルは, X線源の約60%を覆うような, 非常にコラム密度の高い(N_H&ap;6・10^<24>cm^<-2>)吸収物質が存在するということを小している。このような物質は, 多分, 中心核の近くにあると考えられる。資料番号: SA0166281000
著者
山内 誠 Yamauchi Makoto
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.1-48, 1989-03

セイファート銀河の物理的状態を明らかにするために, 2つのI型セイファート銀河, MCG-6-30-15とNGC4051が「ぎんが」衛星に搭載された低バックグラウンドの大面積比例計数管により観測された。今回の観測により, 以下に記すような3つの新しい結果を得ることが出来た。(1) 50%を越えるような大きな振幅の変動が100&acd;300秒の短時間でも見つかった。これは今までの観測結果と比べ最も短時間での変動である。(2)両方の天体でスペクトル変動が見つかった。これはX線強度が増すとそのスペクトルの傾きが急になるというものである。このスペクトル変動は2-10keVの光度が約3&acd;4倍増加するのに相関して, 光子スペクトル指数がα&ap;1.7の付近で△α&ap;0.4&acd;0.5増加するということで説明できる。(3)MCG-6-30-15のX線スペクトルは, X線源の約60%を覆うような, 非常にコラム密度の高い(N_H&ap;6・10^<24>cm^<-2>)吸収物質が存在するということを小している。このような物質は, 多分, 中心核の近くにあると考えられる。
著者
中嶋 大 常深 博 林田 清 鶴 剛 田中 孝明 内田 裕之 堂谷 忠靖 尾崎 正伸 冨田 洋 夏苅 権 上田 周太朗 岩井 將親 廿日出 勇 山内 誠 森 浩二 西岡 祐介 平賀 純子 信川 正順 信川 久美子 村上 弘志 幸村 孝由 馬場 彩 Doty John 他 SXI チーム
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.368-368, 2016

<p>X線天文衛星「ひとみ」搭載CCDカメラ(SXI)は、200μm厚の裏面照射型PチャンネルCCDを完全空乏化させ、0.4-12 keV の軟X線帯域で38分角四方の広い視野をカバーする。SXIは軌道上での立ち上げから、冷却後の天体データ取得に至るまで、期待通りの性能を示した。我々は軌道上データを用いて、線形性・電荷転送効率・応答関数・検出効率などを較正しており、本講演ではその現状について報告する。また、可視光漏れなど軌道上で発生した事象への対策についても報告する。</p>
著者
山内 誠
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、平成24年度奨励研究「電気自転車とリヤカーを利用した災害時用支援ミニステーションの構築」(課題番号24918019)で開発した電動補助リヤカーの問題点を改良し、災害時の救援物資運搬や要救助者搬送に有効な改良型アシスト付電動補助リヤカーの再開発を行った。また、避難後の支援装備として人力発電とソーラー発電装置の開発を行い装備品としてシステムへの組み込みを行った。これらをセットとし、電源供給や照明設備等を兼ね揃えた電動補助リヤカーを母体とした、災害時用支援ミニステーションの再構築を実現させるため、以下の研究活動を行った。研究実施計画に沿って報告する。1. 災害時用の電動補助付リヤカーの改良、及び設計・製作駆動システムの検討を行い、マイコンにて駆動2輪の電流によるトルク制御を実現した。リヤカーの車体は、コンセプトを活かしつつ構造を見直し、軽量且つ強度のある構造とした。2. 人力による電気自転車用発電装置とソーラー発電装置の開発とミニステーションヘの組み込み避難後の照明・携帯電話充電等の電源確保は重要であることから、発電装置の開発を行った。電気自転車を利用した人力発電装置とソーラー発電装置の開発を行い、実用性を確認した。3. 発電装置の性能と発電効率の評価人力・ソーラー両発電装置の発電性能を評価し、発電性能と発電効率の改善を試みた。電源は100V, 24V, 12Vを利用でき、複数のUSBコンセントでの使用と、持ち運びも可能なものとした。4. 電動補助付リヤカーを母体とした発電装置を有する災害時のためのミニステーションの再構築電動補助付リヤカーの周辺設備に必要と考えられる電源・USBコンセント、防災用品、照明装置、及び発電装置等の組み込みを行い、災害時のための支援ミニステーションの再構築を行った。5. 実用性の評価と商品化の検討、研究取りまとめ電動補助リヤカーを母体とした災害時支援ミニステーションの完成度を確認。今後も更なる改良を行う。本研究の開発コンセプト・成果を各種研究発表会にて紹介し、防災・減災について啓蒙活動を行いたい。
著者
小笠原 徳子 高野 賢一 阿部 亜由美 才川 悦子 海崎 文 関 伸彦 吉野 真代 今野 綾美 山内 誠 新谷 朋子 四ツ柳 高敏 氷見 徹夫
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.360-365, 2013 (Released:2014-03-20)
参考文献数
17

先天性小耳症は発生頻度の低い稀な先天奇形であるが,外表奇形として出生直後より認識され,聴力評価などで耳鼻咽喉科を初診することが多い。外表奇形に対する手術は本邦では形成外科で施行される。今回我々は当院形成外科にて耳介形成術を施行した患児73例に対して,外表奇形の分類,聴力評価,味覚障害の有無,顔面神経麻痺の評価,中耳・内耳奇形の有無について解析を行い,外表奇形とそれぞれの項目に関して比較検討をおこなった。さらに国内外における従来の報告と本解析に相違があるかを検討した。  小耳症は,片側小耳症が90%をしめ,多くは外表奇形に対する治療が中心となる。しかしながら,聴力の継続的評価や真珠腫性中耳炎の早期発見,外耳道形成術,伝音再建の適応など耳鼻咽喉科医が把握,対応する事項の重要性が再認識された。
著者
山内 誠
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

本研究は、これまで研究者らのグループが行ってきた、簡易電気自転車開発、競技用簡易電気自動車開発の技術と研究成果を基に、アシスト付電動補助リヤカーを母体とした電源供給や照明設備等を兼ね揃えた災害時支援ミニステーションの構築実現を目的として、以下の研究活動を行った。研究実施計画に沿って報告する。1.災害時用の電動補助付リヤカーの設計・製作駆動システムの試作検討を行い、電流センサを用いたマイコンにての左右二輪トルク制御の駆動システムとダイレクトドライブを用意し、安定した駆動性能と信頼性を実現した。2.双方向型降圧チョッパ回路を利用した人力による電気自転車用発電回路の設計・製作当該回路の発電性能を評価し、発電効率の改善を試みた。データロガーを使用して、システムの完成度と改良点を確認した。3.自作発電システムと市販発電装置の性能比較と安全性の検討実用性と安全性を重視し、リヤカーに搭載する発電装置の比較・検討を行った。今回の製作したリヤカーには、市販の発電装置を搭載し、自作発電システムは引き続き改良と開発を行う。4.電動補助付リヤカーを母体とした発電装置を有した災害時のためのミニステーションの設計・製作リヤカーの駆動輪は荷台の下に配置し、車輪半径分のスペースは、防災用品等を収納可能な二段構造とした。駆動用回路・バッテリーの他、予備バッテリー、LED照明装置、ラジオ・ヘルメット等の防災グッツを収納。荷台サイズは要救助者搬送も考え、1000×2000mm。長イスに変形できる救助用担架も製作、平時は搭載する。5.実用性の評価と商品化の検討、研究取りまとめ駆動方法の検討、発電・蓄電装置の性能と問題点を確認した。設計・製作においては、被災経験から震災時に必要と考えられるコンセプトを最大限に取り入れたことから、やや重量超過の感が認められるも、実用性は十分である。今後は搭載したコンセプトを提示して、必要なものを選択し製作できる、震災用簡易リヤカーの設計・製作に向けて研究活動を行っていきたいと考えている。
著者
中川 道夫 海老原 祐輔 江尻 全機 福田 真実 平田 憲司 門倉 昭 籠谷 正則 松坂 幸彦 村上 浩之 中村 智一 中村 康範 並木 道義 小野 孝 斎藤 芳隆 佐藤 夏雄 鈴木 裕武 友淵 義人 綱脇 恵章 内田 正美 山上 隆正 山岸 久雄 山本 幹生 山内 誠
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.75-90, 2009-02

オーロラX線イベントの2 次元イメージを得ることと,30keV から778keV の領域でエネルギースペクトルを得ることを目的として,大気球を編隊飛行させ観測を行うバルーンクラスター計画の下に,2003 年1 月13 日にPPB8 号機とPPB10 号機の2機が南極の昭和基地より放球された.両機は大気深さ9-12 g / cm^2を保ち,磁気緯度55°.5-66°.4 の範囲を飛翔し南極大陸を半周した.両機はフライト中に多くのオーロラX線イベントを観測した.特に,1月22 日から1 月25 日には,数例のイベントが両機で同じ時間帯に観測されている.2003 年1 月23 日には,始めに10 号機,218sec. の間隔をあけて8 号機でイベントが観測された.このとき8 号機は10 号機の西650km に位置していた.このことはオーロラX線源が速さ約3.0km / sec.で西に向かって移動していたことを示唆している.本論文では同じ時間帯に観測された,オーロラX線イベントについてその描像を述べる.