著者
天谷 公彦 原 幹夫 吉田 雅穂 阿部 孝弘
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.1067-1074, 2014 (Released:2015-12-01)
参考文献数
5

十郷橋は,我が国初のポストテンション方式のPC道路橋で,2013年で建設から60年が経過し,現在も供用中の歴史的な橋梁である。今回,この十郷橋の詳細調査を行い,その健全性を評価した。なお,PC鋼材などの調査は,十郷橋の4カ月後に施工され,同じ材料が使用されている石徹白橋(水害により落橋)にて実施している。調査の結果,コンクリートは緻密で高い強度を有しており,劣化も進行していないことが分かった。さらに,鉄筋・PC鋼材の品質およびグラウトの充填性も確認でき,十郷橋は建設から60年が経過した現在においても健全な状態にあることが明らかになった。