著者
陳 郁佳
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.49, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究では、デザイン過程において指導式創造思考教育行うと、学生の創造力における天賦の才能を促進し、更に豊かなデザイン表現を導くと先ず仮定している。そして、中学生を実験グループと比較対照グループの各14人に分け、両グループに「トーランスの創造的思考テスト」 (Torrance tests of Creative Thinking、 TTCT)の実験前テストを実施した。これは両グループの学生の元々の創造力を知ることを目的としている。その後、創造思考教育実験を行い、創造力心理過程の四段階を基礎として、その変化を創造思考教育のための手順に使用する。 実験グループと比較対照グループの両者は4週間の創作時間をかけて「個人形象デザイン」作品の創作実験を分かれて行った。実験グループには創造思考教育手順に従って創作指導を行い、 比較対照グループには自由に創作させた。続いて再度TTCTの実験後テストを実施し、両グループの学生の創造力の流暢性・独創性・綿密性・柔軟性等の能力について実験前後で違いがあるか比較した。同時に両グループ作品に対する中学校の教師と学生の評価を調査した。 最後に、以上の実験と調査の結果を基に、デザイン表現に対して創造思考教育は良い影響を与えるのか検討した。
著者
陳 郁佳 野口 薫
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.71-80, 1998-09-30 (Released:2017-07-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

知覚・認知心理学的視点から, 道路環境におけるサインの視覚的伝達効果を検討した。まず, サイン認知の前提条件として, 人間の視知覚特性を示した。次いで, 台北のサイン環境について基礎調査を行い, サインの効果は, そのデザインのみならず, 環境的・文化的要因によって規定されることを明らかにした。さらに, 台北と千葉における道路標識の現状について比較し, それぞれの道路標識に対するドライバーの意見を認知的基準にしたがって分類した。最後に, 台湾留学生と日本人学生を被験者として, 二地域の道路標識に対する認知実験を行った。その結果, 標識に含まれる情報数が増えると, 標識の検出率と正答率は低下して, また情報数が同じであっても, 情報の種類や視覚ノイズによって影響されることを示した。さらに, 道路標識の表現形式が異なる地域からの被験者群の比較から, 文化的要因がサイン情報の認知に影響することを確認した。