著者
吉田 裕久 難波 博孝 青山 之典 三藤 恭弘 立石 泰之
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.39, pp.207-212, 2010

昨年度は書く活動を取り入れ, 読み手の読みを自覚的にする工夫を行うことで, 日常の読みに転移でき, 活用して, 「解釈・熟考・評価」できる力を育成できるのではないかという仮説を立て, 授業をとおして検証を進めてきた。そして, 「解釈・熟考」段階における読み手の「疑問・予想・確認・吟味」という一連の反応が繰り返されるなかで〈読み〉が形成されるのではないかという一定の知見を得ることができた。しかし, 読みの自覚化のためには, 書くという活動形態をとらない方が有効な場合もあるという課題も明らかになった。そこで, 今年度は書く活動もその一つとして取り入れつつも, それに固執せず, 一連の反応過程を取り入れつつ, 読み手に〈読み〉とその変容を自覚化させるための手立てを見出していくために, 小学校1年生(説明文), 2年生(物語文), 5年生(物語文)において授業実践を行った。各学年の実践を(1)いかなる手立てが, 読みの自覚化として設定されたか, (2)その手立ては, 読みの自覚化や, 日常の読みに活用できるような読む力の育成に寄与していると言えるか, (3)当該学年段階と文種に応じた読む力の育成が果たされているかという観点で評価し, 成果と課題を得ることができた。
著者
青山 之典
出版者
比治山大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

本研究は、論証に関する推論能力に着目し、説明的文章読解指導のためのスパイラルカリキュラムの構築を目的とする。日常的な推論は偏向しているため、論証に関する推論においては論理構築だけでは十分でなく、意味内容形成、コンテクスト分析も必要である。そこで、3つの下位能力を設定し、日常的な推論の偏向に対応する論理的認識力を概念規定した。3つの下位能力を往還的かつ相互補完的に機能させることが重要であることを明らかにし、3つのStrandによって構成されるスパイラル型の説明的文章読解カリキュラムを構築した。