著者
三浦 雅展 青山 容子 谷口 光 青井 昭博 尾花 充 柳田 益造
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.1176-1187, 2005-05-15

和声法におけるソプラノ課題に対する正解生成システムSoprano Donn´ee System(SDS)を拡張した和声付与システムについて述べる.このシステムはポピュラー音楽系の旋律に対応するために,対応する和音を古典西洋和声からポップス用に拡張し,さらに旋律に対して刺繍音,経過音,先行音などのアプローチノート処理を施すように拡張されている.このシステムはポップス系の考えうるオリジナル旋律に対応するように構築されており,AMOR(Armonizando Melodias ORiginales)と名付けられている.AMORは産学連携の枠組みの下で携帯電話用サービスのために開発され,電子メール文から自動的に旋律を生成するシステムとともに稼動している.自動生成される旋律はメール文内の「明るい」「暗い」名詞の出現数の多さに応じて,長調あるいは短調として生成され,AMORによって和声付与され,和音付きの着信メロディが生成される.自動生成される旋律だけでなく,ユーザによって入力された旋律のどちらについても,AMORは適切な和声を付与することができる.AMORは評価実験の結果より,従来の和音付与システムよりも高い性能が得られていることが確認されている.