著者
青木 嵩 角野 幸博
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1176-1183, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
7

郊外戸建住宅地は,画一的な開発と類似した居住者の同時期の流入により,高齢化および人口減少が進行してきた.一方で近年一部の郊外住宅地では近隣からの二次取得層の転入や子育て世帯の流入など,新しい世帯が少なからず流入しており,世代交代の兆しも見え始めているが,若い世代の生活行動の実態と地域内の施設やサービスとの乖離が示唆される.本稿の目的は,それら人口減少・高齢化が進む郊外戸建住宅地の中・若年層居住者に着目し,今後の郊外戸建住宅地を担う彼らの購買および外食行動における行動実態を明らかにしていくことである.そして特に如何なる居住者がそうした行動をとりやすいかを統計的に分析し,郊外戸建住宅地再編の一助とする. 本稿では,主に2017年に緑が丘で実施した“緑が丘町・志染町青山地区のまちづくりに関するアンケート”の結果を用いる.アンケート回答者の内,中・若年者を便宜上①若年層:20歳~34歳,②中間層:35歳~49歳,③プレリタイア層:50歳~64歳の3区分に分類し,階層型クラスター分析とアソシエーションルール分析を用いてそれらの類型化および特徴の抽出を行った.