- 著者
 
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             阿部 豪
             
             青柳 正英
             
             的場 洋平
             
             佐鹿 万里子
             
             車田 利夫
             
             高野 恭子
             
             池田 透
             
             立澤 史郎
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本哺乳類学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.46, no.2, pp.169-175, 2006 (Released:2007-02-01)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 17
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             2
             
             
             
          
        
 
        
        
        箱ワナによる外来アライグマ捕獲における諸問題である 1)他動物の錯誤捕獲,2)小動物による餌の持ち逃げや誤作動,3)トラップシャイ個体の存在,4)捕獲個体によるワナの破壊と逃亡,5)ワナの購入・運搬・管理に係るコスト高などの改善を図るため,アライグマ捕獲用に開発されたエッグトラップ7個を用いて試用捕獲(200 trap nights)を行った.その結果,野生個体としては高齢のアライグマ2頭(5歳オス,6歳メス)をいずれも無傷で捕獲した.捕獲期間中に錯誤捕獲は1例もなく,また誤作動は本体内部が破損した1例だけだった.さらに,鉄杭にワナを吊るす設置法では,他動物による餌の持ち逃げも確認されなかった.今回の結果から,エッグトラップは一般的な箱ワナに比べて小型軽量,安価で,メンテナンスも容易であるため,箱ワナに代わるか,もしくは箱ワナとの併用によって,より捕獲効率を高めうる捕獲用具になる可能性が示唆された.