著者
池田 透
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.95-97, 2006 (Released:2007-06-26)
参考文献数
7
被引用文献数
3
著者
阿部 豪 青柳 正英 的場 洋平 佐鹿 万里子 車田 利夫 高野 恭子 池田 透 立澤 史郎
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.169-175, 2006-12-30
被引用文献数
1

箱ワナによる外来アライグマ捕獲における諸問題である 1)他動物の錯誤捕獲,2)小動物による餌の持ち逃げや誤作動,3)トラップシャイ個体の存在,4)捕獲個体によるワナの破壊と逃亡,5)ワナの購入・運搬・管理に係るコスト高などの改善を図るため,アライグマ捕獲用に開発されたエッグトラップ7個を用いて試用捕獲(200 trap nights)を行った.その結果,野生個体としては高齢のアライグマ2頭(5歳オス,6歳メス)をいずれも無傷で捕獲した.捕獲期間中に錯誤捕獲は1例もなく,また誤作動は本体内部が破損した1例だけだった.さらに,鉄杭にワナを吊るす設置法では,他動物による餌の持ち逃げも確認されなかった.今回の結果から,エッグトラップは一般的な箱ワナに比べて小型軽量,安価で,メンテナンスも容易であるため,箱ワナに代わるか,もしくは箱ワナとの併用によって,より捕獲効率を高めうる捕獲用具になる可能性が示唆された.
著者
阿部 豪 三好 英勝 佐鹿 万里子 中井 真理子 島田 健一郎 上田 一徳 富樫 崇 池田 透 立澤 史郎 室山 泰之
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.257-263, 2011 (Released:2012-01-21)
参考文献数
15

エッグトラップはアライグマ捕獲に有効な罠だが,保定・回収の際に作業従事者が攻撃を受ける,アライグマにストレスがかかるなどの問題点も指摘されている.そこで本研究では,エッグトラップで捕獲されたアライグマが自発的に回収箱に潜り込むように,内部を暗くした専用の誘導型回収箱を設計し,捕獲個体を円滑にかつ安全に回収する方法を開発した.本研究では,市販の容器に黒の塗料を塗布したタイプAと,北海道で最も普及率の高い箱罠に黒の覆いをかけて内部を暗くしたタイプBの2種類の回収箱を製作し,エッグトラップで捕獲されたアライグマ60頭(オス24頭,妊娠メス8頭,非妊娠メス28頭)の回収を試みた.試験では,タイプAで8頭,タイプBで52頭の回収を行ったが,捕獲個体が極端に興奮するなどの理由により回収に時間がかかった3例をのぞき,すべて60秒以内に回収することができた.60秒以内に回収できた57個体の平均回収時間(±SD)は,14.5(±11.1)秒で,回収箱のタイプや保定状況,性別による回収時間に差は見られず,この方法が多様な対象や捕獲状況に適用可能であることが示唆された.回収箱の大きさや材質などによって回収時間に差が見られなかったことから,誘導型回収箱に必要な要件は,アライグマが身を隠すのに十分な広さと暗い空間である可能性が示唆された.また,既存の箱罠に覆いをかけただけの簡易な回収箱でも十分機能することが明らかとなり,回収した個体の処分について,通常の箱罠捕獲と同様の対応が可能なことが示された.
著者
山田 文雄 石井 信夫 池田 透 常田 邦彦 深澤 圭太 橋本 琢磨 諸澤 崇裕 阿部 愼太郎 石川 拓哉 阿部 豪 村上 興正
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.265-287, 2012 (Released:2013-02-06)
被引用文献数
2

政府の府省が進める各種事業の透明化と無駄遣いの防止をねらいとする「行政事業レビュー」において,2012年度に環境省の「特定外来生物防除等推進事業」が「抜本的改善」という厳しい評価を受けた.この事業レビューでは,おもにフイリマングースHerpestes auropunctatus(特定外来生物法ではジャワマングースH. javanicusの和名と学名を使用)やアライグマProcyon lotorの防除事業が取り上げられた.日本哺乳類学会はこの評価結果について,外来生物対策の基本的考え方や事業の成果についての誤解も含まれているとし,この判定の再考と外来生物対策の一層の推進を求める要望書を提出した.本稿では,環境省行政事業レビューの仕組みと今回の結果について報告し,根絶を目標とするマングース防除事業の考え方と実施状況,また,広域分布外来生物の代表としてアライグマを例に対策のあるべき姿を紹介した.さらに,学会が提出した要望書の作成経過と要点について説明し,最後に,行政事業レビューでの指摘事項に対して,効果的かつ効率的な外来哺乳類対策に関する7つの論点整理を行った.これらの要望書や日本哺乳類学会2012年度大会の自由集会における議論及び本報告によって,われわれの意見を表明し,今後の動向を注視するとともに,今後の外来種対策事業や研究のより一層の充実を期待したい.
著者
阿部 豪 青柳 正英 的場 洋平 佐鹿 万里子 車田 利夫 高野 恭子 池田 透 立澤 史郎
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.169-175, 2006 (Released:2007-02-01)
参考文献数
17
被引用文献数
2

箱ワナによる外来アライグマ捕獲における諸問題である 1)他動物の錯誤捕獲,2)小動物による餌の持ち逃げや誤作動,3)トラップシャイ個体の存在,4)捕獲個体によるワナの破壊と逃亡,5)ワナの購入・運搬・管理に係るコスト高などの改善を図るため,アライグマ捕獲用に開発されたエッグトラップ7個を用いて試用捕獲(200 trap nights)を行った.その結果,野生個体としては高齢のアライグマ2頭(5歳オス,6歳メス)をいずれも無傷で捕獲した.捕獲期間中に錯誤捕獲は1例もなく,また誤作動は本体内部が破損した1例だけだった.さらに,鉄杭にワナを吊るす設置法では,他動物による餌の持ち逃げも確認されなかった.今回の結果から,エッグトラップは一般的な箱ワナに比べて小型軽量,安価で,メンテナンスも容易であるため,箱ワナに代わるか,もしくは箱ワナとの併用によって,より捕獲効率を高めうる捕獲用具になる可能性が示唆された.
著者
淺野 玄 的場 洋平 池田 透 鈴木 正嗣 浅川 満彦 大泰司 紀之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.s・ix, 369-373, 2003-03-25
被引用文献数
6 20

1999-2000年に北海道で捕獲されたメスのアライグマ(Procyon lolor)242個体について,胎盤痕または胎子を分析して繁殖学的特性を調査した.捕獲個体の齢構成は,0歳69個体(29%), 1歳71個体(29%)および2歳以上102個体(42%)であった.1歳の平均妊娠率は66%で,2歳以上の平均妊娠率96%と比べて有意に低値であった.一腹産子数は1頭から7頭で,平均産子数は1歳で3.6頭,2歳以上では3.9頭であった.平均産子数には1歳と2歳以上とで有意差は認められなかった.北海道の移入アライグマの繁殖期は,2月が交配のピークで3月から5月が出産期であると推定された.しかし,7月に2頭の妊娠個体が確認されたことから,夏期にも繁殖することが明らかとなった.北海道のアライグマの繁殖ポテンシャルは北米における報告と同程度であり,個体数増加の主要因であると考えられた.夏期の箱罠捕獲における0歳獣の捕獲圧は,1歳以上の個体と比較して相対的に低いことが示唆された.移入アライグマの個体数を減少させるためには,個体数が多い0歳獣の捕獲圧を高める必要があり,効率的な捕獲方法の検討が求められる.
著者
池田 透
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.95-97, 2006-06-30
被引用文献数
1
著者
池田 透
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.159-170, 2001-01-15 (Released:2018-02-09)
参考文献数
23

日本各地で野生化しているアライグマの現状とその管理課題について考察を試みた.アライグマは雑食性で多様な環境で生息可能であり,逃亡・遺棄によって野生化が生じると,人間を怖れないために人間の生活圏内でも条件にさえ恵まれれば急激に増加する可能性を持っている.また,日本には天敵も存在しないためにアライグマが野山に拡散するに連れて在来の生物へも影響が及び,生態系の撹乱が危惧される.生物多様性条約への批准を機に日本でもようやく移入種問題が取り上げられるようになったが動きは遅く,現在のアライグマ対策は地方自治体が主体となって展開している.農業被害に端を発した北海道の対策は,生態系の保全を念頭においた科学的対策構築へと展開してきたが,法的規制に関連する予防措置や対策継続のための長期的予算確保など問題も多く残されている.今後は移入種問題を危機管理の問題としてとらえ,移入種に対する管理指針の確立とガイドラインの制定とを含めて国家的対策としての体制を整え,自治体との連携作業で事態に対処することが望まれる.
著者
中井 真理子 山下 國廣 福江 佑子 池田 透
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.128, 2013 (Released:2014-02-14)

特定外来生物アライグマの防除では,根絶に向けた低密度状況下における捕獲が課題となっている.本研究では,アライグマの痕跡の確認手段として,アライグマ探索犬の育成を試みた(2009年開始).動物の探索に特化する狩猟犬種群から甲斐犬を選び,行動学と学習理論に基づいたモチベーショントレーニングを採用した.今回の試験は,探索犬とハンドラー(犬の反応を読み取り指示を出す者)の能力確認を目的とした.捕獲したアライグマに VHF発信器を装着し,ラジオテレメトリー法により日中の位置を記録した.探索中の記録はボイスレコーダーと動画撮影で行い,インストラクター(訓練の指導者)とハンドラーの発言の違いを比較した. 夏季の探索試験は,2012年 7月の連続する二日間(アライグマの位置は同じ)に実施.現場は農地に隣接する針広混交林の林縁部で,林床は 100cm前後の草本類が密生する場所.一日目は一部でアライグマ臭気特有の行動が見られたが,ハンドラーの判断ミスで体力を消耗させたため,終了した.二日目は前日に反応を示した谷から絞り込み,朽木根元の樹洞に吠えて告知した.冬季の探索試験は,2012年 12月一日間に実施.現場は積雪約 40cmの平坦な農地で,民家が点在する場所.倉庫群周辺で動きが速くなり,発信音を確認した倉庫の風下で吠えて告知した. 探索犬は,野生アライグマの臭気を敏感に感知できた.ハンドラーは探索犬の反応を観察していたが,時々刻々と変化する風向きや地形などから臭気の流れを推測し的確に探索範囲を選ぶ判断力と経験に不足する部分があった.現場での活動には探索犬とハンドラーのペアが経験を積むことが重要である.また,気温が高いと体力消耗が早い点や探索の障害物となる植物の茂りの点などを考慮して探索計画を立てることで,より効率よく探索できると予想される. なお,本研究の一部は平成 23~ 25年度環境省環境研究総合推進費により実施された.
著者
池田 透 立澤 史郎
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第52回日本生態学会大会 大阪大会
巻号頁・発行日
pp.810, 2005 (Released:2005-03-17)

日本の外来種対策においては一般市民や地域住民との合意形成が充分とはいえず、駆除に向けては多くの問題が残されている。特に哺乳類では、駆除対策に関して動物愛護の立場からの感情的反発も根強く、こうした社会的状況を考慮せずして外来哺乳類対策の円滑な実施は不可能である。そこで本研究では、飼養動物由来の外来哺乳類であって人間との関係が密であり、かつ地域生態系への悪影響が危惧されている北海道天売島のノネコ問題を対象として、地域住民や一般道民の合意形成や、管理対策を円滑に進めるための体制づくりに必要な条件の検討を試みた。全島民を対象としたノネコ対策に関する地域住民意識アンケート調査の結果、ノネコ問題自体に関しては島民の関心は非常に高く、多くの島民にノネコの存在が問題視され、ノネコの除去にも賛成する割合も高いことが明らかとなった。島民の中にもノネコの存在が問題であり、解決すべき問題であるという意識は強い。ただし、多くの島民にとってのノネコ問題の焦点は畑や庭を荒らすとか魚を盗むといった生活被害への苦情が多く、海鳥の減少可能性などの生態系保全に関わる問題意識は低かった。この点からも、従来のノネコ対策の目的と実際に島民が望むノネコ対策の目的に大きな隔たりがあることが明らかとなった。また、ネコ飼育者と非飼育者ではノネコ問題に対する意識に大きな差がみられ、ネコ飼育者においては自分が飼育しているネコ以外にも愛情を注いでいることが推測され、このことがノネコの管理をいっそう困難にしていることが予想された。今後のノネコ対策の在り方として、ノネコの実態把握を進めるとともに、島民同士が積極的にノネコ問題に意見を述べられる状況を作り上げ、島民参加のノネコ対策を作り上げていくことが重要であると考えられた。
著者
岡田 宏明 池田 透 岸上 伸啓 宮岡 伯人 小谷 凱宣 岡田 淳子 黒田 信一郎
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

平成3年度から継続して、平成4年度にも2回の研究集会を札幌と網走で開催し、研究会は計4回を数えた。その間に、代表者をふくめて、研究分担者全員が、順次研究発表を行ったが、研究集会以外にも、北海道立北方民族博物館で毎年秋に開かれるシンポジウムにも、半数以上の研究分担者が参加し、研究発表や討論を通じて、情報や意見を交換する機会をもった。平素は、別々の研究機関に促し、それぞれ独立に調査研究に従事している代表者および分担者は、2年間に、かなりな程度までお互いの研究成果を知ることができ、このようにして得た広い視野に立って、最終的な研究報告をまとめる段階に到達した。研究報告書は10篇の論文から構成され、アイヌ文化に関するもの2篇、北西海岸インディアン2篇、イヌイト(エスキモー)1篇、サミ(ラップ)1篇、計7篇は文化人類学に視点をおくものである。その他に、東南アラスカの現地の人類学者による寄稿1篇が加えられている。その他の2篇は、言語学関係のもので、北欧のサミと、北東アジアのヘジェン語を主題としている。研究報告書には、シベリア関係の論文がほとんど掲載されていないが、平成4年5月に刊行された「北の人類学一環極北地域の文化と生態」(岡田、岡田編、アカデミア出版会」に代表者および分担者による8論文のうち、3篇はシベリア原住民に関するものである。平成4年度未に刊行される研究報告書は、上記の「北の人類学」と一対をなすものであり、両者を総合することによって、わが国の環極北文化の研究は確実に一歩前進したと見ることが可能であろう。論文に掲載されなかった資料やコピー等は、北海道大学と北海道立北方民族博物館に収集、保管し、今後の研究に役立てたいと考えている。