著者
中田 行重 佐藤 春奈 白崎 愛里 須藤 亜弥子 中西 達也
出版者
関西大学臨床心理専門職大学院 心理臨床センター
雑誌
関西大学心理臨床センター紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.59-67, 2015-03-15

本稿は、体験的療法Experiential Psychotherapy 学派の論客であるLietaer, G. のUnconditionalPositive Regard: A Controversial Basic Attitude in Client-Centered Therapy(1984)を要訳し、彼の見解が古典派に与えた影響と今後のPCT の展望について考察するものである。Lietaer は、無条件の肯定的配慮を、肯定的配慮、非指示性、無条件性の3 因子に分けて論述している。中でも無条件性の重要性について論じており、この態度を、Rogers の価値の条件づけに言及しつつ、セラピーの中での「バランス拮抗力」「逆条件付け」と定義している。また、Th 自身へ開かれていること(openness)が自己一致であり、Cl へと開かれていることが無条件の受容であるとして両者の密接な関係について述べている。さらに、CCT の文脈における直面化に触れ、承認できないCl の行動についてはTh 自身の限界をフィードバックし直面化させること、直面化は、Th の受容を支えとしてCl が自己に直面するよう促す過程であることを論じ、無条件性と直面化は矛盾しない概念であると主張している。