著者
阿部 照男 横川 伸 〓 仁平 針生 清人 飯塚 勝重 続 三義 今東 博文 羅 歓鎮
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

2003年から3カ年間取り組んだ「中国『西部大開発』と地域社会の変容」という研究プロジェクトで、現代中国社会が抱える枢要な問題は貧富の格差とくに貧困対策であることが明らかになった。それを受けて2006年から本研究プロジェクト「中国内陸部における貧困対策に関する研究-「移民新村」政策を中心にして-」が開始された。陝西省延安市農村部における現地調査(2006-07年)、西北大学陝西経済発展研究センター委託による農家個別訪問アンケート調査(2006-07年)、甘粛省農村部現地調査(2007年)、山西省農村部現地調査(2008年)、内モンゴル自治区赤峰市農村部現地調査(2009年)、2度にわたる日中国際シンポジウム(2008年延安市、2009年東洋大学)などの研究成果として明らかになったのは、中国社会にとって単なる貧困対策を中心とする段階は終わり、今後特に求められているのは、農村全体の底上げ、農民の生活改善、農業の構造改革ということである。それを象徴するのが「新農村建設」というキーワードである。