- 著者
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野田 大地
佐藤 尚文
尾形 敏郎
五十嵐 清美
井上 昭彦
良永 康雄
茜部 久美
飯島 広和
前原 康延
- 出版者
- 北関東医学会
- 雑誌
- The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.2, pp.221-227, 2008-05-01
- 被引用文献数
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子宮広間膜異常裂孔ヘルニア2例を経験した.【症例1】51歳女性.14歳時,虫垂切除.上腹部痛,嘔気出現し近医受診.症状改善せず,第3病日に当院紹介受診.腹部膨満し腹部全体に圧痛を認めたが反跳痛や筋性防御なし.CT,USで拡張した小腸を認めたが腹水なし.イレウス管を挿入し第4病日に造形した.右骨盤内で小腸の完全閉塞を認め手術適応と判断した.右の子宮広間膜に約1.5cmの裂孔があり,回腸が約20cm陥入,壊死していた.小腸切除と裂孔閉鎖を行い,術後15日目に退院.【症例2】53歳女性.開腹歴なし.朝から腹部違和感,気分不快あり.症状改善せず夕方当院受診.腹部全体の膨隆を認めたが自発痛,圧痛,嘔気なし.CTで拡張した小腸と軽度の腹水を認めた.保存的に経過をみたが嘔吐を繰り返したため第2病日にCT再検.小腸拡張の悪化,腹水増加を認めたため緊急手術を行った.左の子宮広間膜に約2cmの裂孔を認めそこへ回腸が約5cm陥入していた.用手的に整復し,裂孔閉鎖した.術後9日目に退院.