著者
飯田 利博 森 弥生 西山 千秋
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.76-79, 1998 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6

症例は26歳, 男。水族館職員。右第5指基節背面に淡紅色結節 (16×14mm) が単発した。病理組織学的に真皮浅層に肉芽腫性細胞浸潤をみとめ, 病巣よりM.marcnumを分離した。オフロキサシン内服と温熱療法にて治癒し, 治療中止12カ月後も再発を見ない。感染源の検索のため水族館施設を調査したところ, 主に濾過水槽内の濾過砂から同菌を分離した。感染予防に綿製手袋の使用と, 作業後5分間の手, 前腕の温浴 (42℃-45℃) が有効と考えた。