著者
花村 一朗 仁田 正和 飯田 真介 谷脇 雅史 後藤 麻友子 JOHN Shaughnessy
出版者
愛知医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ヒト骨髄腫細胞株を用いた検討では、染色体1q21領域の増加/増幅の多くは1番染色体そのものまたは長腕の増多に伴って起きたものであり、jumping/tandem translocationといった複雑な転座様式をとったものは約30%であった。未治療MM例とは異なり細胞株においては1q21の増加の有無や増幅様式の差と、13q14欠失、17p13欠失、Ig領域との染色体転座で脱制御されるCCND1やFGFR3、c-MAF、MAFBなどとの間に有意な相関は認めなかった。このことは、細胞株は進行期の病変から樹立されることが多いためと思われるが、MMにおいて1番染色体長腕その中でも特に1q21は特異な領域であることが改めて示唆された。