- 著者
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西澤 輝
香取 慶則
- 出版者
- 一般社団法人 日本理科教育学会
- 雑誌
- 理科教育学研究 (ISSN:13452614)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.2, pp.373-380, 2022-11-30 (Released:2022-11-30)
- 参考文献数
- 16
本研究の目的は,中学生の化石に対する認識および抱いている誤概念を明らかにすることである。中学校第2年生の生徒105名を対象として中学生にアンケート調査を実施した。その結果,以下の3点が明らかになった。1)化石の中でも,特にアンモナイトは非常に多くの生徒に認識されている傾向があり,生徒にとって最も代表的な化石である。反対に,現行学習指導要領にて取り上げる代表的な化石として記載されている化石のうち,シジミ,ブナ,ナウマンゾウは比較的生徒に認識されていない傾向があった。2)約7割の生徒は生痕化石を含む化石の定義を正しく認識しているが,体化石に比べて生痕化石を認識している生徒は非常に少なく,生痕化石にはどのような痕跡の化石があるのかといった具体的な生痕化石の種類について認識していない生徒が多かった。3)化石に関する誤概念を抱く生徒の内,生物とは関係のない物理現象によってできた地質構造などが化石であるという誤概念をもつ生徒が多く,体化石のみが化石であり生痕は化石ではないという誤概念をもつ生徒もわずかに存在した。以上のことから,生徒が認識している化石の種類には大きな偏りがあることや,化石について一定の誤概念を保持していることが明らかになった。