著者
香取 真知子 瓜生 大輔 稲見 昌彦 檜山 敦
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本研究では, 対面した状態での会話を促進する, 写真を利用したプラットフォームの提供に着目した. そして自分と相手が所有している写真群の中から類似写真を選んで提示することで, 初対面同士では共通点を見出し会話を誘発することができ, 親しい者同士では近況報告とともに新しい会話を誘発することができるスマートフォンアプリの開発を行なった.本研究で開発中の「類似写真を提示するアルゴリズム」がどのような動作するか, またアプリの使用によりどのような経験が得られるかを明らかにするために, 計10組の検証を行なった. 検証は初対面同士の組と親しい者同士の組に分けて行い, それぞれの検証では類似写真を提示するmodeAとランダムで写真を提示するmodeBの2種類を行なった. その結果, 初対面同士では, 類似性の高い写真を提示することにより, 会話が誘発されることが確認された. 一方で親しい者同士では人間関係によって得られる体験が異なるため, より細かく分類した上での検証や改良の必要性が示唆された.