著者
香山 雅子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.593-599, 2015-08-20 (Released:2016-08-20)
参考文献数
25

ほぼすべての組織にはマクロファージが恒常的に存在し,これらの組織マクロファージは単に免疫細胞として免疫応答に関与するだけではなく,組織における恒常性の維持にも関与すると考えられている.組織マクロファージは存在する組織によって機能および形態が異なるが,この組織マクロファージの多様性を制御する因子(シグナル)については,不明な点が多い.本稿では,組織マクロファージの分化制御機構および機能について,脾臓のマクロファージを中心に概説する.
著者
荒瀬 尚 香山 雅子 末永 忠広 平安 恒幸
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々は、ミスフォールドしたMHCクラスI分子を細胞外へ輸送する分子としてMHCクラスII分子をクローニングした。そこで、他の蛋白質を解析したところ、卵白リゾチームや抗体の重鎖、さらに、リポ蛋白質の一つであるβ2GP1がMHCクラスII分子に結合することで、細胞外へ輸送され、関節リウマチや抗リン脂質抗体症候群で産生される自己抗体の特異的な標的抗原になっていることが判明した。一方、ミスフォールド蛋白質輸送分子を明らかにするために、細胞表面のミスフォールド蛋白質に会合している分子の検索を行った。その結果、質量分析によって、いくつかの候補分子が同定された。