著者
馬 培金 河野 善彌 陳 慧 ファー ベルーズ H.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.637, pp.17-24, 1999-03-05

この論文は知識工学的に電子秘書を作る研究である。組織の幹部に仕える幹部秘書は、標準化された手順で高度で気の利いたサービスを提供する。これをエキスパートモデルにとり、入出力関係に着目し書面により知識を獲得しつつ、知識構造モデルを求める事をボトムアップに行なった。最下位の対話の知識構造から始め、情報取得、判断、交渉の知識モデルを得た。これらは多階層の状態空間の中に位置づけられ、多階層化、状態の細分化を行なえば、如何様にでも高度化できる。具体的な書式での知識獲得、その高度化、構造化の実際を詳しく説明している。このように得た知識構造モデルはそのままソフトウエア化でき、優れた秘書の行動を再現でき、また、細部構造では認知科学の道具になり得る。