- 著者
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柳川 久
馬場 まゆら
- 出版者
- 帯広畜産大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2010
十勝の農耕地帯の孤立林には多様な鳥類が生息しており、孤立林の鳥類多様性は周辺の景観構造から大きな影響を受けていることが明らかになった。記録された鳥類群集を樹洞営巣性、地表営巣性、樹上営巣性という3つのグループにわけ、各グループの個体数を説明する局所・景観要因を特定するための統計解析を行った結果、3 グループすべてで周辺の景観構造の重要性が示された。具体的には、樹洞営巣性鳥類の個体数は孤立林周辺に森林が多いほど多くなり、地表営巣性および樹上営巣性鳥類の個体数は孤立林周辺に自然草地が多いほど多くなることが分かった。また本調査地の孤立林には、生態系ピラミッドの頂点に位置する猛禽類(ハイタカ、ノスリ)も数多く生息しており、多数の孤立林においてこれらの営巣が確認された。