著者
馬場 貴志
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.915, 2014 (Released:2016-09-17)
参考文献数
4

宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめ,アメリカ航空宇宙局(NASA),欧州宇宙機関(ESA)などの各国宇宙機関は,火星探査や月面居住の実現へ向けたロードマップを作成し,さまざまな面からの研究・開発を進めている.ヒトが宇宙で健全に生活するためには,安全性をはじめとする様々な面からの検討が必要であり,微生物についても大きなトピックの1つとなっており,国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟においても微生物モニタリングが実施されている.宇宙などの微小重力下においては,細菌の病原性が上昇するといった報告もあり,もし宇宙において病原微生物が増殖した場合,重大な事態を引き起こす可能性があることから,微生物への影響に関する研究が行われている.一方で,宇宙飛行によってヒトの免疫機能が低下することも報告されており,これは日和見感染のリスクが上昇する可能性があることを示している.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Ichijo T. et al., Microbes Environ., 28, 264-268 (2013).2) Wilson J. W. et al., PNAS., 104, 16299-16304 (2007).3) Borchers A. T. et al., Nutrition, 18, 889-898 (2002).4) Crabbe A. et al., Plos one, 8, e80677 (2013).