著者
服部 知洋 馬島 徹
出版者
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.448-453, 2007 (Released:2007-10-25)
参考文献数
17

呼吸器疾患患者が重症化し気道確保の選択を迫られる場合,第一選択は経口気管挿管である。しかし,人工呼吸管理が長期化する場合は経口気管挿管や気管切開チューブによる換気の欠点,利点を把握し,それぞれの呼吸器疾患の病態も考慮した上で,気管切開の選択をすることが実際と考えられる。また,経口気管挿管から気管切開への切り替えのタイミングは,経口気管挿管開始時から7日以内に人工呼吸器からの離脱ができない場合,理想的には10日以内に気管切開に変更することが望ましいと考えられる。気管切開チューブの抜去については,人工呼吸器から離脱し,上気道閉塞がなく,気道分泌物が減少し,十分な咳嗽力があれば抜去できると考えられる。しかし,個々の患者の呼吸管理状況を正確に把握し判断,実行するのが現状である。