著者
片山 順一 馬渕 慶子 川島 永嗣 諸冨 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.612, pp.61-68, 2001-01-26

顔に特異的なERP成分としてVPP(P170)とN170が知られている.このERPを詳細に検討するため, 12名の被験者から, 視覚呈示された顔, 眼, 物, 動物の顔, 単語に対するERPを記録した.写真および線画オッドボール条件, 課題を課さない線画反復条件を設けた.全条件で全ての刺激は後側頭部でN170を惹起し, 顔, 眼, 単語刺激に対してその振幅が増大した.耳を基準としたとき, 頭蓋頂でのP170は増大し明確な頂点を示した.頭皮上分布の分析から, これは顔に特異的な成分と考えるより, 処理の初期段階において注意が配分される程度を反映すると考えられる.