著者
駒宮 功額
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.122-127, 1998-04-15 (Released:2017-04-30)

大気圧空気の酸素分圧約160mmHgより高い高圧空気や純酸素は,大気圧空気より支燃性が強く可燃物の存在により激しい火災や爆発を生ずることがある.高圧空気が安全なエネルギーとして用いられ始めたり,酸素が生産販売されると同時に事故が発生した。日本は遅れた技術導入により,一応安全化されていたため,その危険は十分認識されていなかった.しかし1950年代に過剰酸素による火災・爆発が多発したが,技術,教育,保全などの発達により事故は激減した.ところが近年再び事故を生じているので,事例と大気空気と異なる支燃性を紹介する.
著者
駒宮 功額
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.361-367, 1984-12-15 (Released:2017-12-31)

金属材料は特殊な粉宋を除き一般に不燃性であるが,条件によっては次のような火災危険が発生する、 ①酸素,塩素の配管系などに用いられる鉄,チタニウムなどの金属火災,②各種金属加工の際に生ずる切削油や有機物を含む研摩剤で汚染された切肖L研摩屑火災,③アルミニウムと含ハロゲン溶剤やぞり一 スとの異常発熱火災,などである. 火災の起きる原因としては,①では,衝撃や油脂などの発火による金属火災であり,②は,主として切削屑に混入する有機物火災による延焼のためと考えられる,③は,アルミニウムと塩素との発熱反応および生成塩化アルミニウムが揮発性のためと推定される. 事故防止には金属材料の燃焼性と雰囲気ガスの性質をよく理解し,装置内に付着する油脂の洗溝などに配慮することや,切削屑中の有機物に注意することが大切である.
著者
駒宮 功額
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.169-174, 1975-06-15 (Released:2018-06-30)

動物による災害は減少しつつあるが,間接的な災害は増加の傾向があり,新しい災害の種を作っている.ここでは直接的災害を猛獣,家畜,海生動物,昆虫などに別けて紹介したが,交通機関の発達は対象とする動物の種類を増加させているし,海洋開発のような新技術の開発時の安全には海生動物も含まれることがわかる.間接的災害も技術の発展が生んだもので,小さな鳥のためジェット機が墜落する惨事も現実に生じた.この他クラゲによる停電,ガス事故なども社会的に大きな影響を与えることが災害例から知ることができる.これらの災害を防ぐにはまず,動物の習性をよく理解することが重要であろう.
著者
古積 博・長谷川 和俊 駒宮 功額
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.115-121, 1997-04-15 (Released:2017-05-31)

1995年3月,朝霞市の廃棄物処理施設で爆発火災が起こり,施設に大きな被害を与えた.現場の詳細な調査,および裏付実験を行い,事故の発生プロセスを明らかにした,その結果,施設に搬入された微細な紙の粉が原因物質であり,焼却炉からの逆火によって粉じん爆発が発生したことがわかった.