- 著者
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駒宮 功額
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.6, pp.361-367, 1984-12-15 (Released:2017-12-31)
金属材料は特殊な粉宋を除き一般に不燃性であるが,条件によっては次のような火災危険が発生する、 ①酸素,塩素の配管系などに用いられる鉄,チタニウムなどの金属火災,②各種金属加工の際に生ずる切削油や有機物を含む研摩剤で汚染された切肖L研摩屑火災,③アルミニウムと含ハロゲン溶剤やぞり一 スとの異常発熱火災,などである. 火災の起きる原因としては,①では,衝撃や油脂などの発火による金属火災であり,②は,主として切削屑に混入する有機物火災による延焼のためと考えられる,③は,アルミニウムと塩素との発熱反応および生成塩化アルミニウムが揮発性のためと推定される. 事故防止には金属材料の燃焼性と雰囲気ガスの性質をよく理解し,装置内に付着する油脂の洗溝などに配慮することや,切削屑中の有機物に注意することが大切である.