著者
高 欣佳 牧野 秀成 古莊 雅生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_948-I_953, 2014
被引用文献数
1

経済発展と共に物流のほとんどを担う海上交通において,船舶数も急増しそれらが航行する海域では輻輳するため海難事故が多発している.船舶の安全かつ効率的な運航を行うためには,船舶の航行実態及び航行海域の輻輳状況の詳細を把握する必要がある. 本研究では,特に,船舶が入港する際に港外で入港の順番を待つ所謂"沖待ち"行動に着目した. この船舶の沖待ち行動は航行船舶にも影響を及ぼすために把握する必要があるが,これまでは各船舶の沖待ち自体のデータを入手することは難しく,沖待ちの実態を把握することが困難であった.しかし,本研究では,近年,船舶に搭載が義務付けられた船舶自動識別装置から送信されるデータを収集し解析することで,沖待ち船舶を抽出しその実情を把握した.更にそれらが航行船舶に与える影響を把握するために,海域における船舶密度を基に船舶の輻輳状況を解析した.本稿では,これらの結果について報告する.