著者
牧野 秀成 若林 伸和 矢野 吉治 塩谷 茂明
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.191-197, 2011
被引用文献数
2 2

External forces of marine weather, such as waves, currents and wind flows, affect the course and speed of a ship under way. As a result, marine accidents, such as collisions or grounding, may occur, particularly in inshore areas. On coasts where earthquakes and tsunamis occur frequently, such as the Japanese coast, a tsunami that advances into a bay from the open sea is influenced by the submarine topography. It grows into a huge wave that could cause tremendous damage to ships under way and at anchorage. A massive earthquake occurred in the Tohoku and Kanto regions of Japan on 11 March 2011. In response, a tsunami alert, a tsunami warning and an advisory were issued for the entire Pacific coast region. This research investigates the evacuation behaviour of ships by AIS data in Tokyo bay and Osaka bay after the tsunami warning was issued. The unusual behaviour observed was attributed to the emergency evacuation of ships. In addition, the propagation direction of the tsunami was clarified by analysing the drift situation of each ship.
著者
塩谷 茂明 牧野 秀成 永吉 優也 柳 馨竹 嶋田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_838-I_843, 2011
被引用文献数
1

航海の安全のため、航海情報は非常に重要である。航行船舶の安全性は海難回避のために要求される。海難の原因の第1位は衝突、第2位は乗揚である。船舶の乗揚は沿岸域の比較的浅い海域で発生している。そのため、乗揚回避のために水深情報の有効な提供が非常に重要である。さらに、航行船舶に影響を与える気象・海象の情報提供も重要である。本研究の目的は、船舶乗揚回避のための水深、気象・海象に関する有効な航海情報をGISを用いて提供することである。航海シミュレーションによるこれらの情報提供が有効であることを示した。
著者
高 欣佳 牧野 秀成 古莊 雅生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_948-I_953, 2014
被引用文献数
1

経済発展と共に物流のほとんどを担う海上交通において,船舶数も急増しそれらが航行する海域では輻輳するため海難事故が多発している.船舶の安全かつ効率的な運航を行うためには,船舶の航行実態及び航行海域の輻輳状況の詳細を把握する必要がある. 本研究では,特に,船舶が入港する際に港外で入港の順番を待つ所謂"沖待ち"行動に着目した. この船舶の沖待ち行動は航行船舶にも影響を及ぼすために把握する必要があるが,これまでは各船舶の沖待ち自体のデータを入手することは難しく,沖待ちの実態を把握することが困難であった.しかし,本研究では,近年,船舶に搭載が義務付けられた船舶自動識別装置から送信されるデータを収集し解析することで,沖待ち船舶を抽出しその実情を把握した.更にそれらが航行船舶に与える影響を把握するために,海域における船舶密度を基に船舶の輻輳状況を解析した.本稿では,これらの結果について報告する.