著者
高井 誠子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1033, 2011-10-15

はじめに 通常,大腸内に存在する大腸菌は下痢などの病原性は示さない.下痢を起こす大腸菌は病原性大腸菌と総称され,5種類に分類されている.また,病原性大腸菌は特定の血清型を示す場合が多いことから,血清型を調べることにより病原性大腸菌を推定することができる. その方法に筆者の施設では,デンカ生研の“病原大腸菌免疫血清”による抗原抗体反応により,病原血清型を検出している.その方法の操作の中で,O抗原の試験を行うためには,オートクレーブで121℃15分間,または100℃60分間の加熱処理を行い,K抗原を取り除く必要がある. 今回のくふうでは,オートクレーブの代わりに,圧力鍋を使用する. 圧力鍋はオートクレーブを小型化したものであるため,代用可能であると考えられる.それどころかオートクレーブは大量の培地を滅菌する場合など内部温度上昇に長時間かかり,また減圧にも時間がかかるのに対し,圧力鍋は小型なため,最初から湯を沸騰させておくことができ,また減圧も一気にできるため,時間短縮が可能という利点もある.またK抗原,O抗原の特性からも,圧力鍋は使用可能と思われる. そこで,以下にオートクレーブに代わる圧力鍋の使用法を紹介する.準備するのは家庭用の圧力鍋で,蓋がきっちりと閉まり,圧が一定にかかるものであればよい.
著者
田代 哲之 坂本 紘 高井 誠 渡辺 茂 上村 叶
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.433-436, 1981

粘膜の摘出手術を実施し, の味ある成績を得た.<BR>1. 喉頭側室粘膜の摘出は, 従来多く使用されてきた粘膜搦子を用いず, 指頭による鈍性剥離法を採用し粘膜の十分な除去を図った.<BR>2. 従来は異常側のみの粘膜を除去する場合が多いようであるが, 今回は両側粘膜の摘出を行なった。<BR>3. 全例 (16頭) 手術後の経過は概して良好で, すでに9頭は平均約5カ月で競馬に出走し, 内1頭 (症例3号) のみが軽い笛声音を残した.残り7頭は手術後日が浅いため現在静養中である.
著者
丸茂 秀雄 高井 誠
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.2190-2195, 1965
被引用文献数
2

イミダゾリン型両性界面活性剤から調製した28種の金属塩の低密度ポリエチレンの内部用帯電防止剤としての性能を検討した。<BR>金属塩を練り込んだポリエチレンの加工性,熱安定性は良好で,表面にはブリード(Bleed out)はない。帯電防止性は表面固有抵抗, 摩擦帯電圧などで評価した。さらに接触角, 摩擦係数ならびにそれらの表面物性の洗浄後の変化から, 単分子層形成による内部用帯電防止剤の作用機構を考察した。<BR>内部用帯電防止剤としての性能は金属根ではMg,Ca,Pb,Mn,Ba,Cd塩がすぐれており, アルキル基はC<SUB>11</SUB>H<SUB>23</SUB> より若干C<SUB>17</SUB>H<SUB>35</SUB>の方がよい。<BR>成形法による帯電防止性の差はあまりないが,インフレーション法によるフィルムでは,小規模に行なう場合には内側と外側で表面固有抵抗に差があった。この原因はやはり単分子層の形成不十分なためと考えられる。しかし,摩擦帯電圧は少ししか差はなく,開封後には短時間で外側と同程度のよい性能を示すようになる。