著者
上田 八尋 吉田 慎三 中野 幸雄 田谷 与一 金井 淳 杉町 剛美 沖坂 重邦 矢島 保道
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.196-200, 1977

Intraepithelial squamous cell carcinoma of the eye was encountered in two horses. It appeared on the conjunctiva of the left eye as a tumor of red-bean size and progressed to cover the lateral half of the cornea in about 3 months in a Thoroughbred stallion 16 years old produced in Ireland. It developed on the nictitating membrane of the right eye as a tumor of red-bean size in a Clydesdale stallion 10 years old produced in New Zealand. It was removed surgically in both horses under general anesthesia. Neither recurrenc e nor dysfunction was observed in these horses more than 6 months after operation.<BR>Biopsy on both cases revealed abnormal cornification of the middle layer of the epithelium, abnormality in cell division, and the appearance of clumping cells.
著者
高島 利幸 早野 剛 金山 保夫 岡崎 留美 片岡 辰雄 秋山 陽 村田 光明 山本 力 岩谷 高行 保坂 敏行 野本 敏秀
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.647-650, 1978
被引用文献数
1

犬によるこう傷事故の発生原因を明らかにする目的で, 1975年4月1日から1976年3月31日までの366日間に都内で発生したこう傷事故2, 180件のうちの2, 164件と, 同期間内の主要な気象条件のうちの天気・日照時間・可照時間・気温・湿度との因果関係を追求したところつぎの結果を得た.<BR>1. 天気とこう傷事故発生との関係では, 雨あるいは雨模様の天気の日にはやや事故が減少する傾向がみられた. しかしほかの天気状況と比較して有意差は認められなかった.<BR>2. 日照時間ならびに湿度とこう傷事故との間には, 相関関係は認められなかった.<BR>3. 可照時間とこう傷事故との間には相関 (r=0.8638) が認められ, 両者がかなり密接な関係にあることが明らかとなった. また気温との間にも相関関係 (r=0.6514) が認められた.<BR>以上の結果から, 主要な気象条件のうちで可照時間および気温が犬を誘発して, こう傷事故の発生をもたらす要因となることがうかがえた.
著者
上原 修一 北野 良夫 恒吉 幸一 藤原 直躬 長谷 学 宮里 俊光
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.822-824, 1988

1985年2月から1986年2月にかけて, 鹿児島県串木野市の黒毛和牛一貫経営農場で旋回運動, 猪突猛進などの神経症状を主徴とする子牛の疾病が発生した. 病理組織学的検査により賢尿細管上皮細胞の核内に鉛中毒に特徴的な核内封入体が認められ, 生化学検査では血液, 腎臓, 肝臓から高値の鉛が検出されたために鉛中毒と診断された.
著者
北村 憲彦 西村 紳 山本 亮平 青木 美香 田中 美有 桑村 充 嶋田 照雅 久保 喜平
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.519-522, 2015

1週間前より食欲絶廃を呈した6歳雌のミニブタが来院した.X線検査にて腹腔内腫瘤を認め,第7病日に開腹下で右背側の腫瘤を切除した.腫瘤は卵巣に近似した発生部位と病理組織学的所見より,顆粒膜細胞腫と診断した.術後症例はQOLが改善して身体状態良好に経過していたが,第223病日に突然神経症状を呈して死亡した.剖検では,下垂体に充実性腫瘤が脳実質を圧迫するように認められたが,腹腔内腫瘍の再発は認められなかった.下垂体腫瘤の病理組織学的所見は腹腔内腫瘍と同様であり,腹腔内腫瘍の細胞は<b>κ</b> light chain陽性であったことから,本症例の腫瘍をあらためて形質細胞腫と診断した.本症例は腹腔内腫瘍の外科的摘出により,QOLが改善して約7カ月間再発もなく良好に過ごせたことから,本症例において外科療法は有効な治療法であったと考えられた.
著者
中間 実徳 松本 治康 蘭守 竜雄
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.433-441, 1970
被引用文献数
1

乳牛25頭, 30例の関節炎につき, 臨床的に観察し, 治療を行ない, さらに23例については起炎菌の検索を行なった. また, 分離菌を用いて, ウシの感染試験を行ない次のような結果を得た.<BR>1. 30例の発症部位は, 飛節 (足関節) が16例 (53%) でもっとも多く, 次いで腕関節 (手関節) が9例 (30%) あり, 球節ないし蹄冠部は5例 (17%) であった.<BR>2.25頭の症状については, 40℃前後の発熱を伴い, 食欲不振や泌乳量の低下などの全身症状を呈したものが15頭 (60%) あり, 局所症状に止まったものは10頭 (40%) であった.<BR>3.これらを治療の結果, 治癒したと判定されたものは30例中22例 (73%) あり, 再発したもの2例, 廃用6頭であった.<BR>4. 細菌学的検査の結果, <I>Cory.pyogenes</I>のみ分離されたものが11例 (48%), <I>Cory.pyogenes</I>とその他の菌 (Streptococcus, Staphylococcus, <I>E.coli</I>, Proteus) の混合感染を認めたものが3例 (13%), Streptococcusのみのものが2例 (9%), 菌の検出されなかったものが7例 (30%) あった.菌の検出された16例のなかで, <I>Cory.pyogenes</I>が関与していた例は14例 (87.5%) であった.<BR>5.今回分離した<I>Cory.pyogenes</I>を乳牛2頭を用いて関節に接種試験し, 2頭とも実験的に関節炎を発症させ得た.また, 接種した関節から接種菌と同じ菌を分離できた.
著者
田代 哲之 坂本 紘 高井 誠 渡辺 茂 上村 叶
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.433-436, 1981

粘膜の摘出手術を実施し, の味ある成績を得た.<BR>1. 喉頭側室粘膜の摘出は, 従来多く使用されてきた粘膜搦子を用いず, 指頭による鈍性剥離法を採用し粘膜の十分な除去を図った.<BR>2. 従来は異常側のみの粘膜を除去する場合が多いようであるが, 今回は両側粘膜の摘出を行なった。<BR>3. 全例 (16頭) 手術後の経過は概して良好で, すでに9頭は平均約5カ月で競馬に出走し, 内1頭 (症例3号) のみが軽い笛声音を残した.残り7頭は手術後日が浅いため現在静養中である.
著者
野村 紘一 西 美智子 島田 保昭
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.54-57, 1988

われわれは最近, 6ヵ月齢チンチラ種雄猫において, 耳道対輪部内壁に多発性結節性肥厚を伴う慢性外耳炎の1例に遭遇した. 本症は耳道にカリフラワー様肥厚結節を多数形成するとともに耳奥から多量のチーズ様捏粉状分泌物を排出しており, 外耳口はほんんど閉塞していた. 肥厚結節は, 10数倍に増殖した上皮組織からなり, その表面は, 剥離角化細胞がたまねぎ状の集塊をなして堆積し, いわゆる真珠腫様構造を呈していた.<BR>本症の発生原因の詳細は不明であるが, 低脂肪食の給与とプロブコールの内服によって症状の緩解が見られたので, 高脂血症が疑われた. また, これが慢性外耳炎を契機とする耳腔内の角化亢進に拍車をかけたものと推察される.<BR>本症に関する報告はほとんどなく, きわめてまれな疾病と考えられるが, 人の耳道に発生する真珠腫 (Ohrcholesteatoma) の所見に酷似しているところから, 本症を猫耳道の真珠腫性肥厚症とした.
著者
安田 宣紘 阿久沢 正夫 冨宿 誠吾 松元 光春 阪口 法明 伊澤 雅子 岡村 麻生 土肥 昭夫
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.575-578, 1999-09-20

1996年1月~1997年12月にイリオモテヤマネコの死体3例を回収し, 生存2例を保護した. 死亡3例中2例は成獣で交通事故死, 1例は幼獣で他動物による咬傷死であった. 生存保護2例中1例は成獣で交通事故による重傷が治療により順調に回復した.他の1例は前記交通事故死例の子で, 西表野生生物保護センターで飼育, 順調に発育してラジオテレメトリー用電波発信器を装着, 放獣後3カ月に原因不明の死亡が確認された.
著者
安田 宣紘 阿久沢 正夫 冨宿 誠吾 松本 光春 伊澤 雅子 土肥 昭夫 鑪 雅哉
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.18-20, 2000-01-20
被引用文献数
1

1996年9月~1999年1月にツシマヤマネコの死体10例が, 長崎県対馬にある環境庁対馬野生動物保護センターに回収された. 死因は交通事故7例, 咬傷によるもの2例, 原因不明1例であった. 咬傷の原因は1例は不明であったが, 1例は犬によるものであった. 原因不明例には外傷はなく, 消化管内に多数の内部寄生虫が認められた.
著者
戸田 光敬 福田 幾光 齊藤 保二
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.9, no.7, pp.325-328, 1956
被引用文献数
1

私共は東京附近において捕獲された野犬血清中の日本脳炎仲山株ウイルスに対する補体結合抗体の陽性, 陰性率および補体結含抗体の推移を本誌に既報したが, 今回は本ウイルスを人工的に子犬に接種した場合の子犬の感染態度および血清中の補体結合抗体の消長を検討した. その結果, 入工的に本ウイルス塗接種した子犬は僅か1頭を除き, 他はすべて接種部位に関係なく, 接種後初期に軽度の体温上昇, 食欲, 元気の減退を認める以外感染を調する症状を認めなかった. 人工的に脳内に本ウイルスを接種し, その後マウスでウイルスの回収試驗を行った所, 普通の状態では子犬脳内は本ウイルスの増殖に不適当ではないかと思われる成績を得た. また本ウイルスの人工接種を受けた子犬の血清中には補体結合抗体を産生するが, 本抗体の推移は接種部位, あるいは子犬の日令の差により多少の相異を認めた. しかしながら本抗体は相当長期間消失しないもののようである.
著者
古澤 賢彦 金本 勇 若尾 義人 高橋 貢 宇根 有美 野村 靖夫
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.501-504, 1995-07-20
参考文献数
16

チャウチャウ系雑種雄犬 (1歳4ヵ月齢) が腹水と徐脈を主徴として来院した. 高度の心拡大をともなう特発性心房停止を認め, 利尿剤投与と腹水の穿刺除去を継続したが, 11ヵ月の経過で死亡した. 剖検では高度の右房拡張が, 病理組織学的検査では心房の脂肪線維化が認められ, 基礎疾患として特発性右房拡張症が考えられた.
著者
内田 節也 宮本 譲 佐伯 百合夫
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.39-41, 1982

ヂャイアントシュナウザー, 雄, 7才, およびチャウチャウ, 雌, 13才の2頭の犬に, 心臓原発の血管肉腫を認めた.腫瘍は右心房に発生して広汎な転移を伴っていた.2例とも右心房の腫瘍病変が破裂して心臓タンポン症を起こし急死したものである.
著者
Krebs John W. Strine Tara W. Smith Jean S. Noah Donald L. Rupprecht Charles E. Childs James E.
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.365-367, 1997

1995年に, 49州, コロンビア特別区, および自治領プエルトリコから, 疾病予防センターに対し, 動物の狂犬病症例7, 877件, 人間の狂犬病症例4件の報告がなされた. 全症例のうち, 92%近く (7, 247件) が野生動物で, 8%(630件) が家畜の症例であった. 報告された症例の総数は, 1994年の8, 230件から4.2%減少した. この減少は大部分, 北東部地域のアライグマの狂犬病報告症例が17.1%減少したことによる. この地域での狂犬病は現在, 同種動物間流行というより地域的流行となっている. 報告症例が例外的に増大している地域は, 狂犬病ウイルスが最近になってアライグマに入り込んだ地域, あるいは同種動物間流行が持続している地域である. この狂犬病ウイルス変異株に関連した同種動物間流行が増大した州 (狂犬病症例総数) は, メイン州 (1993年の3件から1995年には101件), ノースカロライナ州 (1990年の9件から1995年には466件), ロードアイランド州 (1993年の1件から1995年には324件), ヴァーモント州 (1993年の45件から1995年には179件) である. 狂犬病ウイルスのアライグマ変異株が現在見られるのは, アラバマ州, ペンシルヴェニア州, ヴァーモント州, ウェストヴァージニア州およびフロリダ州からメイン州にわたる大西洋岸諸州である. オハイオ州ではアライグマ変異株が1992年に1症例で発見されて以来みられなかったが, 1996年に再び発見されている.テキサス州中西部におけるキツネの狂犬病とテキサス州南部における犬とコヨーテの狂犬病の同種動物間流行は犬変異株によるもので, なお持続している. テキサス州で1995年に報告されたのは, キツネの狂犬病137件, 犬の狂犬病55件およびコヨーテの狂犬病80件 (全国では83件) である. コウモリの狂犬病の件数 (787) は25%近く増加し, 陸続きの48州中47州で報告されている. 全国の狂犬病の報告件数は牛136件 (前年比22.5%増), 猫288件 (同7.9%増), 犬146件 (同4.6%減) である. 猫は家畜の中では引き続き狂犬病症例の報告が最も多い動物であった. 人間について報告された狂犬病の症例はすべてコウモリに関連したウイルス変異株によるものであった. 18州と自治領プエルトリコで1995年に動物の狂犬病の減少が報告された. 1994年に減少が報告されていたのは, 28州とコロンビア特別区であった. 1995年に狂犬病の症例報告がなかったのはハワイ州だけである.
著者
長井 誠 源野 朗 村上 俊明 高井 光 上地 正英 明石 博臣
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.487-490, 1998

牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) 2の石川県における浸潤状況を, 成牛1, 625頭, 2歳未満牛217頭, 豚298頭, あん羊57頭, 山羊12頭および鹿19頭について血清学的に調査した. BVDV 2; KZ-91株に対する抗体は成牛の1.1%にのみ認められ, 1986年以降の保存血清 (約1歳牛) では, 1988年の70例中1例, 1998年の51例中2例, 1994年の27例中1例が陽性であった. 1990-1997年に分離されたBVDV 10株について, 5'非翻訳領域を標的としたRT-PCRにより制限酵素 (<I>Pst</I> I) 切断パターンを調べたところ, 1990年に分離された2株がBVDV 2に分類された
著者
飯田 孝 神崎 政子 渡部 浩文 宮崎 奉之 丸山 務
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.583-587, 1999
被引用文献数
1

東京都多摩地区のペットショップおよび一般家庭で飼育されていたイグアナ, プレーリードッグ, カメレオンなどのペット動物における腸管出血性大腸菌O157, サルモネラ, エルシニア, 黄色ブドウ球菌, <I>Listeria monocytogenes</I>およびクラミジアの保有調査を1996および1997年の10, 11月に行った. その結果, 1996年に調査した計140匹の動物の糞便のうち, サルモネラが3検体 (2.1%), 黄色ブドウ球菌が2検体 (1.4%), クラミジアが8検体 (5.7%) から検出された. 1997年には, 計101匹の糞便のうちサルモネラが5検体 (5.0%), <I>L. monocytogenes</I>が1検体 (1.0%), クラミジアが4検体 (4.0%) から検出された.
著者
内田 佳子 山田 弘司 中出 哲也 大友 勘十郎
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.337-341, 1996
被引用文献数
2

来院した犬・猫各100頭の問題行動について飼い主に対しアンケートを行った. 犬の飼い主の82%が問題行動が「ある」とし, 問題行動は多い順に, 破壊行動 (17.1%), 無駄ぼえ (16.0%), 人に対する攻撃行動 (15.0%), 排泄問題 (13.9%) など, 合計187件であった. 猫の飼い主では83%が問題行動が「ある」とし, 問題行動は多い1頂に, 不適切な場所での爪研ぎ (34.9%), 異嗜 (19.5%), 他の猫に対する攻撃行動 (13.0%), 排泄問題 (11.8%) など, 合計169件であった. 犬の飼い主の72%, 猫の飼い主の45.8%が行動治療を希望した.
著者
山本 敏弘 大田 霙三
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.249-254, 1989
被引用文献数
1

1987年5月29日, 茨城県内で23群を飼育する養蜂家の定期腐蛆病検査を実施したところ, そのうち3群で無蓋巣房内の蛆が多数死亡しているのが発見され, ミルクテストの結果, 8例中5例の蛆が4~8時間で陽性を示した. 11例の蛆について菌分離を試みたところ, ヨーロッペ腐蛆病の原因菌とされる<I>Melissococccus pluton</I>が11例中3例から, 二次感染菌とされる<I>Bacillus alvei</I>が7例から,<I>Enterococcus faecalis</I>が8例の蛆からそれぞれ分離された. 分離された.<I>Melissococcus pluton</I>は好気的には発育せず, 嫌気条件でのみ発育がみられた. しかも, 培地中のNa: Kの比が1未満でなければ発育しないといった特徴を持ち, その他の性状でも参照株およびBAILEYの記載とほぼ一致した. 検査成績からこの3群をヨーロッパ腐蛆病と診断し, 感染のおそれがあった8群を含めて計11群について焼却処分を実施した.
著者
伊藤 隆 伊藤 格郎 伊藤 冨美雄
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.107-110, 1986

小規模なアンゴラウサギ飼育農家で, くしゃみ, 鼻汁の漏出, 鼻性呼吸を主徴とするスナッフルが発生し, 繁殖および育成用ウサギを問わず, ほぼ全頭に発症が確認された.<BR>この中で最も臨床症状が重い5頭を淘汰し, 病性鑑定を行った.共通した肉眼所見として, 鼻腔および副鼻腔の粘液貯留が認められた.細菌検査では, 鼻腔ぬぐい液から<I>Bordetella bronchisotica (B.bronchisotica) </I> と<I>Pasteurella multocida (P.multocida) </I> が高率に分離された.また, 組織学的に鼻腔粘膜のカタール性炎, 鼻甲介骨の破壊吸収像がみられた.<BR>29頭の鼻腔ぬぐい液の細菌検査で25頭から<I>B.bronchisotica</I>が, 5頭からEmultocidaが多量に分離された.<I>B.bronchisotica</I>の抗体検査では繁殖用ウサギで幾何平均 (GM) 98.8倍, 育成用ウサギで25.2倍と高い抗体価を示し, <I>B.bronchisotica</I>が広く浸潤していた.