著者
高妻 和哉 首藤 愛呼 石丸 琴美 高野 和彦 太田 七絵 竹原 功 桂木 能久
出版者
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
雑誌
健康・栄養食品研究 (ISSN:13458388)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-8, 2021-06-11 (Released:2021-06-11)
参考文献数
16

背景と目的 コーヒー豆由来クロロゲン酸は,降圧作用,抗肥満作用,認知機能改善作用,肌性状改善作用等の様々な生理効果を持つことが知られている.本試験では,日本人の健常成人を対象に,コーヒー豆由来クロロゲン酸の過剰摂取時の安全性を検証した.方法 日本人の健常成人(20~60歳)を対象に,コーヒー豆由来クロロゲン酸を一日摂取目安量(270 mg/日)の5倍量(1,350 mg/日)または,プラセボを4週間摂取させるランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験で,臨床検査値の異常や発生した有害事象から安全性を評価した.結果 26名が試験に参加し,参加した全員を安全性評価の対象とした.コーヒー豆由来クロロゲン酸または,プラセボ摂取による,臨床検査値の異常は認められず,コーヒー豆由来クロロゲン酸または,プラセボ摂取と因果関係がある有害事象も認められなかった.結論 日本人の健常成人に対する,コーヒー豆由来クロロゲン酸の過剰摂取時の安全性が確認された.臨床試験登録 大学病院医療情報ネットワーク臨床試験登録システム(UMIN-CTR)ID: UMIN000037230.
著者
野村 知子 天野(吉田) 恭子 中島 幸範 高妻 和哉 須摩 茜 樋口 和彦 杉山 義宣 西村 直記
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.89-99, 2019-10-01 (Released:2019-10-24)
参考文献数
39

クロロゲン酸はコーヒー豆に多く含まれ,血管機能改善作用を有することが知られている.本研究では,クロロゲン酸飲料の単回摂取が冷水負荷後の末梢部皮膚温および皮膚血流に及ぼす効果について検討した.健常女性24名を被験者とし,クロロゲン酸飲料(クロロゲン酸270mg含有)あるいはプラセボ飲料を用いたランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験を実施した.試験飲料摂取50分後に水温15℃の水浴に1分間両手を手関節部まで浸漬する冷水負荷試験を実施した際の指先の皮膚温と皮膚血流の変化を観察した.試験完遂者は21名であった.クロロゲン酸飲料摂取時の冷水負荷後の皮膚温の回復はプラセボ飲料摂取時と比較して有意に高く,同様に皮膚血流の回復もクロロゲン酸飲料摂取時に有意に高かった.以上の結果より,クロロゲン酸飲料摂取は冷水負荷により低下した皮膚温および皮膚血流の回復を早める効果があることが示唆された.