著者
佐藤 可奈 高尾 公矢 赤羽 克子
出版者
聖徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、都市郊外団地に住む高齢者の買物弱者の買物行動を含めた食生活の実態及びニーズを明らかにし、買物弱者への支援策を提示することを目的として、埼玉県三郷市M団地において質問紙調査、インタビュー調査を行った。質問紙調査の結果、性別と年齢で違いがみられ、相対的に体力的な衰えが買物を困難にさせ、人間関係や食生活に影響を及ぼしている可能性が示唆された。インタビュー調査の結果、社会的に孤立している高齢者は食生活に変調がみられ、低栄養のリスクが高く、BMIが低くなるという知見が得られた。団地での生活を継続するためには、団地の知縁による支え合いがセーフティネットとしての機能を果たすことが期待される。
著者
福川 康之 下方 浩史 高尾 公矢 川口 一美
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

「祖母仮説」は,繁殖期を過ぎた個体が子の繁殖に貢献するために長寿化したと仮定する理論である.しかしながら本研究では,娘の繁殖成功度の向上(第一子の早期誕生や第一子と第二子の出産間隔の短期化)に最も貢献していたのは義理の母親(夫の母親)であった.日本のような母方居住の傾向が強い地域では,実娘と実母よりも嫁と姑の関係が繁殖に影響している可能性がある.祖母仮説を現代社会で検討するうえでは文化的な背景に配慮する必要があるといえるだろう.
著者
福川 康之 高尾 公矢 川口 一美
出版者
聖徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

わが国の新しい高齢者問題のひとつである「孤独死」に着目し,地域における孤独死の発生状況や発生予防への取り組み,ならびに孤独死の関連要因を,事例検討,大規模調査,参与観察,郵送調査などの手法を用いて検討した.これにより,独居高齢者の対人ネットワークの特徴や地域性が明らかになった.またわが国の孤独死問題への取り組みの遅れとともに,地域ネットワークの活性化が孤独死予防に有効となる可能性を示唆する結果が得られた.