著者
高山 一夫
出版者
日本医療経済学会
雑誌
日本医療経済学会会報 (ISSN:13449176)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.13-26, 2014-12-01 (Released:2017-09-15)

本稿では、TPPを事例に、自由貿易協定FTAが医療制度に及ぼす影響について考察する。TPPは、各国の薬事制度の見直しや知的財産権の保護強化などにより、薬価高騰や医薬品アクセスの制限をもたらすことが懸念される。FTAが医療制度に望ましい成果をもたらすためには、情報の公開とステークホルダーの参加、客観的な政策評価の実施、各国の主権及びグローバルな健康の衡平への配慮といったガバナンス上の取り組みが必要である。