著者
飯島 茂子 小城 一見 高山 典子 角田 孝彦 石井 良征
出版者
一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
雑誌
日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌 (ISSN:24337846)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.219-225, 2018-07-31 (Released:2019-01-17)
参考文献数
17

41歳女。初診の4ヵ月前から繰り返す頸部の紅斑および顔面の腫脹を主訴に来院した。ジャパニーズスタンドアレルゲン (2008) のパッチテストでfragrance mix陽性。その成分ではcinnamic aldehyde, cinnamic alcohol陽性。アロマオイルを日常的に使用していることが判明し, 使用中の各種香料でパッチテストを施行したところ, ラベンダーオイル, その含有軟膏, 有機シナモンパウダー, シナモン含有オイルで陽性となった。なお, ラベンダーオイルは1%と2%陰性, 5%と10%陽性であった。ラベンダーオイルの主成分であるリナロールおよび酢酸リナリルを用いたパッチテスト, 光パッチテストはすべて陰性であった。自験例は夜, ラベンダーオイルの原液を枕に数滴垂らして寝る習慣から生じた頸部のアレルギー性接触皮膚炎と診断した。また, 空気曝露によって生じる酸化リナロール, 酸化酢酸リナリルによって感作された可能性を推測した。