著者
高山 草二
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.11-19, 2000-03-31 (Released:2017-05-27)
参考文献数
15

ビデオゲームの面白さとその個人差を実証的に検討するため, ゲームで遊ぶ動機とメディア嗜好性を小学生について調べた.因子分析の結果, 道具的な動機である「暇つぶし」「逃避」の他に, 「挑戦」「コントロール」「空想」「好奇心」など, 内発的動機づけ理論において提案されてきたすべての側面がみられた.これらの動機が重なることで面白さが増していた.個人差の分析の結果, 内発的動機または道具的動機が中心の類型, どの動機も低い否定的な類型など, 多様な類型がみられた.一対比較法によるメディアとの嗜好の比較から, ビデオゲームは双方向性をもったテレビとしてとらえられており, 特に, ビデオゲーム特有の面白さとして「コントロール」と「空想」がメディアの双方向性から生ずることが示唆された.ゲーム様式のCAIに関して, これら結果の意義を検討した.