著者
宇津木 弘 遠藤 敦 鈴木 昇 高崎 完二
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.707-715, 1983-11-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6

遠心式液体クロマトグラフによる色素のトルエン溶液からの色素の流動及び分離機構を検討した。充テン剤を通しての色素の流動は同心円を描いて流動するが, 半径方向成分のみが関与し, 回転方向成分は関与していない。充テン剤は等容積の同心円状に配列した微小円環要素群から成るとし, 各要素がカラムクロマトグラフィーでの有効段と同じ作用をすると仮定すれば, 遠心クロマトグラフでの色素の分離もカラムクロマトグラフィーでのプレート理論に準じた取扱いで説明可能であることが認められた。この取扱いで求められる分配係数は, 吸着平衡測定結果から求められる分配係数と良い一致を示すことが認められた。