著者
遠藤 敦士 今田 康大 竹井 仁
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.67-74, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

【目的】表面筋電図を用いて,非荷重位および荷重位での中殿筋の3 線維(前・中・後部線維)の作用を比較することを目的とした。【方法】対象は健常成人男性20 名とし,非荷重位の課題では,股関節外旋運動と内旋運動時の筋活動を計測した。荷重位の課題は,左片脚立位での右側骨盤への抵抗(抵抗なし,外転,外旋,外転かつ外旋,内旋,外転かつ内旋)に対する左側の静止性収縮とし,各条件での筋活動を計測した。【結果】非荷重位の内旋運動では前部線維が,外旋運動では後部線維が最も高い活動を示した。荷重位では外旋条件のみ,後部線維が前部線維と比較して高い活動を示した。また後部線維の筋活動は条件間で有意差はなかった。【結論】中殿筋各線維は非荷重位・荷重位ともに,運動方向により異なる作用を有することが示された。一方荷重位での後部線維は,運動方向によらず一定に活動することが明らかとなった。
著者
藤郷 森 河田 達男 高嵜 裕圭 遠藤 敦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.4, pp.421-429, 1990-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
24

大谷石はゼオライト鉱物の一種である斜プチロル沸石(Clinopti1olite;Na6(A16Si30O72)・24H2O)を約65wt%含有することに注目して,吸着剤などの化学工業材料として活用をはかる目的で,イオン径を異にするメチレンブルーおよびアンモニア性窒素(NH4+)を吸着質として用いる液相吸着法を用いて,その特性変化を検討して来ている。今回は,大谷石試料と同様に斜プチロル沸石を主要構成鉱物とする山形県板谷産および秋田県二つ井産の天然ゼオライトを,さらに高純度で構造も単純と考えられる合成ゼオライトを参照試料に用いて,天然ゼオライトを酸処理することによって,天然ゼオライトの構成鉱物類の集合状態とその存在状態に関して検討を加えた。その結果,次のような点が明らかになった。(1)大谷石試料に含まれる斜プチロル沸石は耐酸性に乏しい特徴を有する。(2)一般に小さな比表面積値を示す天然ゼオライトを塩酸水溶液で処理することにょって,構成鉱物類の集合状態に関してかなりの知見が得られた。天然ゼオライトが少さな比表面積値を示す原因は試料中に含まれる少量の粘土鉱物類によることが明らかとなった。(3)天然ゼオライトと合成ゼオライとの対比から,天然ゼオライトは構成鉱物類が特殊な集合状態を形成している。この集合状態を活用すれば,低濃度のNH4+水溶液中に含まれるNH4+除去剤として十分活用可能である。
著者
藤郷 森 田中 甫 高嵜 裕圭 遠藤 敦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.11, pp.1949-1956, 1989
被引用文献数
1

従来,著者らは鹿沼軽石層から分離分級した非晶質講料が広い比表面積を有することに注目し,化学工業用材料としての活用をはかる目的で検討して来ている。今回,+15μmの粒子径を有する非晶質試料の粒表面および構造特性を明らかにする目的で,0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を用いるHashimoto-Jacksan法に準じた方法で化学処理し,化学処理した試料は電荷およびイオン径を異にする三種の吸着質を用いる液相吸着法によって,表面特性の変化を検討した。<BR>非晶質試料は団粒構造を形成しているが,化学処理することによって表面特性を異にする最低,二つの部分,すなわち陰イオン類の吸着能に富む粒子表面層と陽イオン類の吸着能に富む粒子内部層とから構成される。粒子表面層は細孔径め細かいアルミニウ4を基質とする物質から構成され,この物質は粒子全体を被羅した状態で団粒構造を支えた状態で存在する。一方,粒子内部層曝メテレンブルーのような大きなイオンをも吸着することから比較的太い細孔を有すること,さらに少量の造岩鋤類を含むことが明らかとなった。吸着質の電荷から判断して,水溶液中では,粒子表面層は正に,粒子内部層は負にそれぞれ帯電しているものと考えられる。<BR>さらに,特性を異にする吸着質を用いる液相吸着法は,非晶質試料などX線粉末回折法などの適用困難な試料の特性変化を解析する手段として有効であることが明らかとなった。
著者
宇津木 弘 遠藤 敦 鈴木 昇 高崎 完二
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.707-715, 1983-11-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6

遠心式液体クロマトグラフによる色素のトルエン溶液からの色素の流動及び分離機構を検討した。充テン剤を通しての色素の流動は同心円を描いて流動するが, 半径方向成分のみが関与し, 回転方向成分は関与していない。充テン剤は等容積の同心円状に配列した微小円環要素群から成るとし, 各要素がカラムクロマトグラフィーでの有効段と同じ作用をすると仮定すれば, 遠心クロマトグラフでの色素の分離もカラムクロマトグラフィーでのプレート理論に準じた取扱いで説明可能であることが認められた。この取扱いで求められる分配係数は, 吸着平衡測定結果から求められる分配係数と良い一致を示すことが認められた。