- 著者
-
藤原 武男
高松 育子
- 出版者
- 国立保健医療科学院
- 雑誌
- 保健医療科学 (ISSN:13476459)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, pp.330-337, 2010-12
これまでにわかっている研究によれば,自閉症の環境要因と考えられたのは(1)妊娠初期の喫煙,(2)水銀,(3)有機リン酸系農薬,(4)ビタミン等の栄養素,(5)親の高齢,(6)妊娠週数,(7)出産時の状況(帝王切開等),(8)夏の妊娠,(9)生殖補助医療による妊娠,が考えられた.一方,関連がないと考えられる環境要因は(1)妊娠中のアルコール,(2)PCB,(3)鉛,(4)多環芳香族,(5)社会経済的地位,(6)ワクチン,(7)低出生体重,であった.これらは再現性のあるものもあればないものもあり,さらなる研究が必要である.その意味で,日本で実施される大規模な出生コホートであるエコチル調査に期待したい.