- 著者
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山田 佐知
明石 行生
安倍 博
高橋 さえり
- 出版者
- 一般社団法人 照明学会
- 雑誌
- 照明学会 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.43, pp.58, 2010
季節性感情障害(SAD)は、主に高緯度の地域で、冬に日照時間が減少することが原因となってうつ症状を発症する病気である。福井をはじめとする日本海側の地方は冬に日照時間が他の地域に比べて減少する気候特性を持っている。福井大学工学部の学生には、冬の日照時間が福井よりも長い地域を出身市に持つものが大きな割合を占めている。このため、冬の日照時間の減少が原因となって、体調に影響を受けている学生がいるのではないかと考えられる。学生の睡眠とうつの状態を把握し、それが季節や出身地から影響を受けているかを調べることを目的として、夏と冬の2回、アンケートを行った。内容は、睡眠時間とうつの状態で、うつ評価にはSDS(Self-rating Depression Scale)スコアを用いた。また、調査用紙には、学生の出身地、学年、氏名を記入させた。夏と冬両方で回答を得た117名について、うつ状態であると判断されたのは夏21名、冬20名であり、季節による差はなかった。そのうち、10名は夏冬の両方でうつ状態を示していた。また、睡眠時間も夏と冬で差はなかった。また、冬にのみうつ状態と判定された学生10名のうち、7名は北陸地方の出身であり、出身地域と冬のうつとの明確な関係性を見出すことができなかった。しかし、夏冬両方でうつ状態を示した10名のうち8名は1年生であった。学生のうつ状態には日照時間や季節以外の原因が考えられる。