- 著者
 
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             工藤 誠治
             
             稲積 秀一
             
             鈴木 唯司
             
             森田 秀
             
             高橋 信好
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 社団法人日本泌尿器科学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.80, no.7, pp.1063-1066, 1989-07-20 
 
          
          
          
        
        
        
        患者は,28歳の男性で,1987年10月,腰痛を主訴に,某医受診し,精査目的にて同年11月11日,当院紹介入院となった.入院時の検査成績では,著明な腎機能低下が認められた他,超音波検査並びに,胃部CT撮影にて,両側腎皮質の厚い石灰化が認められた.腎生検では,一部に骨髄細胞を伴った骨形成の病理所見が得られた.その後,外来にて経過観察中であったが,1988年6月3日,再入院となり,現在,血液透析施行中である.腎における異所性骨形成は,比較的稀な疾患であり,しかもこれまでの報告例は,全て片側腎に限られていた.今回,我々は,両側腎における異所骨形成を認め,同時に慢性腎不全を呈する1症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.両側腎における異所性骨形成は,我々の調べ得た限りでは本邦での他の文献発表は,認めなかった.