著者
清水 肇 高橋 弘治
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.835-840, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
2

沖縄の戦争遺跡の実態と可能性の検討を通じて、歴史的環境における「負の遺産」がいかなる可能性を有しているかについて考察した。戦争遺跡には軍事遺跡、戦闘・戦災遺跡、戦時遺跡の三種に区分できるが、日本本土に比べて戦闘・戦争遺跡の占める割合が高いことが沖縄の特徴である。沖縄の戦争遺跡における複合的な意味、あるいは地域における様々な文化遺産との関係で、戦争遺跡は戦争で喪失したものを想起させ、戦後復興の過程を想起させる役割を持てる可能性がある。