著者
金子 伊樹 高橋 珠実 新井 淑弘
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.150_1, 2016 (Released:2017-02-24)

免疫力の向上は、疾患を事前に防ぐ効果があり、よりよい生活を営む上で重要な因子となっている。現在、運動不足や偏食、ストレスなどの生活習慣の乱れから免疫力の低下が問題となっている。定期的な運動習慣は、生活リズムの改善、また健康に良いことが知られているが、そのメカニズムはあまり明らかになっていない。そこで我々は、多種多様な場面で行われているレジスタンス運動を用いて、習慣的な運動の効果を免疫関係の因子に着目して研究を行った。運動習慣のない学生を対象者として集め、トレーニング群とコントロール群の2群に無作為に分け、1か月のトレーニング期間を設けた。1か月のトレーニング期間の前後に、2群に一過性のレジスタンス運動を行わせ、運動前、直後、30分後の3時点で採血を行い、抹消血中の白血球数と免疫機能調節因子の濃度を調べた。その結果、1か月のトレーニング期間後の運動直後に、白血球数と免疫機能調節因子の濃度がコントロール群対してトレーニング群で増加した。これらの結果から、習慣的に行われるレジスタンス運動は一過性運動時の免疫力増加の可能性を示唆した。