著者
美馬 覚 大谷 知行 古賀 健介 高橋 研太 古川 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.12, pp.15-20, 2013-04-12

我々は、超高感度の宇宙マイクロ波背景放射(CMB)観測を目的として、超伝導マイクロ波力学インダクタンス検出器(MKIDs)の開発を進めている。MKIDsは、ミリ波・THz波などの吸収でマイクロ波共振周波数が変化する検出部と、数GHzのマイクロ波信号を伝送させる信号読み出し伝送線路とで構成され、1系統のリードアウトで100-1000画素の信号を同時読み出しが可能である。このため、大規模アレイ化が容易であり、また、薄膜に特定のパターンを刻むだけで検出器として動作するため、作製が容易であり開発スピードが速いという利点を有する。本講演では、我々が進める検出器の研究開発の進捗について報告する。
著者
高橋 研太郎 諸橋 一 坂本 義之 小山 基 村田 暁彦 袴田 健一
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.2046-2049, 2011 (Released:2012-02-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

症例は62歳,女性.平成22年4月に急性腎不全と意識障害を伴った腸閉塞症にて緊急開腹術を施行したが,明らかな閉塞性病変を認めなかった.術後に意識障害の原因はグリホサート誤飲によるものと判明し,内科的治療で腹部症状と中毒症状は改善した.しかしグリホサート誤飲後1カ月後に再び腸閉塞を発症し,小腸造影と腹部CT検査で小腸重積が疑われた.保存的治療で軽快が得られないため,6月に再手術を施行した.Treitz靱帯から80cmと230cmの2カ所の小腸で,口側腸管が肛門側腸管に嵌り込んだ腸重積を認めた.腸管は炎症性に壁肥厚しており,重積部に腸管の強い癒着を認めた.口側の重積は用手的整復後に狭窄形成術を行い,肛門側の重積は小腸部分切除術を行った.グリホサート中毒後に発症した成人腸重積症の報告例は,検索しうる限りでは本邦初の極めて稀な症例であったが,遅発合併症の1つとして留意する必要があると思われたので報告する.