著者
山田 英一 佐久間 太 山下 茂 高橋 穣
出版者
日本線虫学会
雑誌
日本線虫学会誌 (ISSN:09196765)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-36, 2007-06-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
28
被引用文献数
2 1

北海道後志支庁管内のジャガイモシストセンチュウ発生圃場において、トマト野生種、ハリナスビ、イヌホウズキの播種時期、播種量と線虫密度低減効果を調べた。トマト野生種の孵化促進効果はイヌホウズキ、ハリナスビよりも高く、密度低減効果もトマト野生種が勝った。トマト野生種の播種時期と密度低減効果を比較すると、春まき栽培(6月上・中旬播種)の気象条件が夏まき栽培(8月11日播種)よりも植物の生育および線虫の孵化に好適なため、密度低減効果は高く、対照の抵抗性ジャガイモ「花標津」と同等か、やや勝る効果が得られた。夏播き栽培の効果はやや劣るが、栽培体系を乱さない点で実用性が認められる。ともに播種量1kg/10 aで効果が高かった。