著者
畑井 喜司雄 江草 周三 高橋 誓 大江 孝二
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.129-133, 1977-09-30 (Released:2009-10-26)
参考文献数
5
被引用文献数
14 32

1. 真菌性肉芽腫症罹病アユからFME寒天培地を用いることである種の真菌の培養に成功した。培養真菌の形状は筋肉内のそれと酷似した。2. 培養真菌をアユおよびキンギョに接種したところ,自然発症魚と同一の症状が再現された。3. 病理組織学的に感染魚の患部を検査したところ,肉芽腫の形成を認めた。また患部から接種真菌が再分離された。4. 本症は上皮の傷害ヶ所に菌糸片が付着し,そこから筋肉内に菌糸を伸長させ,そこで増殖することによって惹起される疾病であろうと推定した。5. 本真菌を仮りにMG-fungusと呼ぶことを提案した。