著者
藤井 聡 高須 豊
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.473-478, 2006
被引用文献数
1

現代日本社会においては、人々が自動車の否定的側面を考慮することなく、自動車免許取得の意思決定をしていると考えられる。こうした認識のもとに実施された自動車利用に関する客観的情報を自動車免許非保有者に対して提供するコミュニケーション実験より、客観的情報提供には長期的な効果が存在することが実証的に確認されている。本研究では、東京、京都に住む自動車免許を保有していない大学1年生を対象として、自動車利用のコストやリスクなどについての情報提供を行う同様のコミュニケーション実験を実施することにより、前述の情報提供の効果を追試し、その普遍性を検討した。また、人々が入手する情報の非対称性について検討した。
著者
高須 豊 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.21, pp.515-521, 2004
被引用文献数
1

自動車がステータスや社会的地位のシンボルとするような現代の日本社会における社会的風潮, 自動車に対する肯定的な信念はどのように形成されたのであろうか本研究では, 認知的不協和理論や自動車利用習慣形成プロセスモデルから, 自動車免許の取得によって人々の自動車に対する信念を肯定的なものに変化するとの仮説を措定した.そして, 自動車利用に関わる種々の信念を自動車免許取得前後で測定したパネルデータ (サンプル数=157) を用いた分析を行った結果, 仮説は支持された.すなわち, 自動車免許を取得した人々の自動車に関わる信念が, 自動車免許を取得していない人々のそれよりも肯定的なものであるという可能性が統計的に示唆された.