著者
石川 哲郎 三浦 瑠菜 田邉 徹 増田 義男 矢倉 浅黄 阿部 修久 髙津戸 啓介 奥村 裕
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.22-00044, (Released:2023-07-07)
参考文献数
36

長期モニタリングデータを用いて,震災前後で仙台湾の水質環境(水温,塩分,DO,栄養塩類)に変化が生じているか検討した。震災後,震災前と比べ,栄養塩類とDOは低下し,水温と塩分は上昇する傾向が認められた。震災後の栄養塩類(DINとDIP)の減少は底層で大きく,春季に栄養塩に富む親潮系水の波及が減少した一方で栄養塩が少ない黒潮系水が波及するようになった影響や,震災で生じた底質の変化による夏季から秋季の底質からの栄養塩類の溶出の減少が要因として考えられた。