著者
魏 興福 田村 隆善
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18824544)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.124-129, 2014 (Released:2015-06-27)
参考文献数
22

中国不動産業は,中国における新たな産業として過去35年間に順調に発展してきたと言える。中国における不動産供給側のおもな担い手は,不動産開発企業であり,都市部での旺盛な住宅需要と豊富な投資資金の流入を背景に,それら企業は住宅開発を中心に急拡大してきた。本研究では,中国不動産業研究の第一歩として中国不動産業発展の歴史を政府の土地政策や金融政策などの視点から整理し,中国不動産業の特徴と課題を示す。また,中国不動産業の現状を開発規模,民間企業と国有企業の混在,住宅購入プロセスなどによって特徴づける。
著者
魏 興福 田村 隆善 老平 崇了
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18834930)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.108-114, 2017

中国政府は,国民生活の向上を図るため,不動産業を国の主要産業と位置づけ支援してきた。このため,中国では経済の発展に伴って不動産業は飛躍的に拡大し,多くの不動産企業が設立され,規模を拡大させてきた。そのなかで,中国不動産大手企業は,販売用不動産を中心とした棚卸資産を増大させ,棚卸資産回転率は日本の大手企業と比較して低い値となっている。しかし,中国不動産中堅企業についての経営財務状況についての分析はこれまでなされていない。また,中国では,2010~2014年にかけてGDP成長率と住宅投資伸び率は鈍化傾向にある。そのような中国経済の減速は,中国不動産企業,とくに中堅不動産企業ないしはそれより規模の小さい企業の経営財務に大きな影響を与えていることも懸念される。本研究では,中国不動産中堅企業の経営財務を分析し,大手企業と比較しての中堅企業の特徴を明らかにする。結果として,中堅企業は大手企業に比べて棚卸資産回転率が高く,事業の多角化が進んでいるなどの特徴を明らかにする。