著者
鮎川潤著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1997
著者
鮎川潤著
出版者
世界思想社
巻号頁・発行日
2002
著者
鮎川 潤
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.20-32, 2005

2000年,国会で議員立法によって改正少年法が成立した.本稿はこの少年法改正について,いかなる根拠に基づいてどのような成果が唱えられて改正にいたったのか,エビデンス・ベイスト・ポリシー(エビデンス・ベイスト・プラクティス)との関連から考察する.次に,改正後の変化に関し,「移送」を取り上げ,エビデンス・ベイスト・ポリシーを生かしうる調査の提言を行う.最後に,2005年に国会へ提出された少年法改正案について,どのようなエビデンスに支えられているのかについて焦点を絞った検討を加えるものである.
著者
鮎川 潤
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

日本に存在する未成年のためのすべての更生保護施設をそれぞれ複数回にわたったて訪問し、施設長をはじめとする職員への聞き取り調査を行い、アメリカ合衆国の施設について調べるとともに、スウェーデンにおけるわが国の更生保護施設に該当する施設を訪問し、関係職員へのインタビューを行った。その過程で発見されたのは、わが国において少年犯罪が社会的注目を集めている現状から考えるとまったく予期に反することであるが、過剰収容といっても過言ではない少年院とは対照的に、更生保護施設は収容少年の不足に悩まされている実情であった。特に女子少年の施設では深刻である。これらのなかには、近年において経営の観点が重視され定員の充足が課題となるなかで、成人が収容されるようになった施設もあり、現在大きな岐路に立っていることが詳らかになった。非行少年の処遇においてしばしば福祉的アプローチとして注目されてきたスウェーデンにおいて、わが国の少年のための更生保護施設に該当する施設は、男女の混合施設でより開放性が高いことが異なる。移民の子女が多いのも特徴の一つであり、国際化の進むわが国でも将来対応を迫られる問題となる可能性がある。ただし、スウェーデンにおいては矯正施設との連携はかならずしも良好とはいえず、夜間、休日の体勢は脆弱といわざるをえない面を持っている。少年のための更生保護施設が有効に活用され、成果を生み出していくためには、現在SSTなどのプログラムに意欲的な取り組みが行われているが、さらなるプログラムの工夫、少年の保護観察のありかたの再考、さらに家庭裁判所における補導委託先としての利用などが今後の課題と考えられることが判明した。