著者
鮫島 伸一
出版者
メディカ出版
雑誌
消化器外科nursing (ISSN:13417819)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.50-53, 2003-01
著者
鮫島 伸一 澤田 俊夫 長廻 紘
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.415-421, 2005
被引用文献数
20 35

第59回大腸癌研究会では,本邦における肛門部扁平上皮癌と痔瘻癌の,臨床病理,治療法,予後について,会員施設にアンケートを実施した.肛門部悪性腫瘍症例は総数で1,540例報告され,1,029例(66.8%)は腺癌,粘液癌で,扁平上皮癌は226例(14.7%)であった.肛門部扁平上皮癌患者の平均年齢は63.4歳で,男女比は1:2.25であった.組織型では中分化型扁平上皮癌が50.4%と最も多くみられ,低分化癌も24.4%にみられた.47.6%にリンパ節転移を認め,そけいリンパ節の転移率は25%であった.腫瘍マーカーは,stage II~IVの52%の症例でSCCの上昇を認めた.治療法では68.4%でAPRを含む治療が行われたが,放射線療法,化学療法が増加している.全肛門部扁平上皮癌の5年生存率は51.4%で,治療法による予後の有意差は認められなかった.<BR>痔瘻癌痔瘻罹患年数は18.8年で,粘液癌が60.8%でリンパ節転移は28.9%にみられた.治療は95.0%にAPRないしTPEが行われた.5年生存率は,stage 0,Iで90.1%,stage IIで66.7%,stager IIIで29.0%であった.